雷電は神田明神で、幼稚園児を抱えて四股を踏む
森田愛奈に、警察庁本庁から、さっそく連絡が入った。
「明日なら、全員、呼べますが・・・はい、警視庁の道場に」
雷電が「うん」と頷くので、話は即決。
雷電の異種格闘技戦は明日と決まった。
ユニコーンが運転する黒ベンツは、日本橋を抜けて神田に入った。
神威大和
「雷電さん、将門公にお参りする?」
雷電の顔が、和む。
「ああ、そうだなあ、懐かしいなあ」
「甘酒屋は残っているかい?」
神威大和は、笑顔。
「ああ、残っているよ、いいだろう」
森田愛奈
「つまり、神田明神様にご参拝と?」
しかし、答えもなく、眩い光に包まれたかと思ったら、いつの間にか、神田明神の境内に全員が立っている。
そこで雷電は、また相好を崩す。
神田明神本殿前に、幼稚園児が遠足らしい、相当な列をなしている。
神威大和が、その幼稚園児の引率の保育士女性に声をかけた。
「この大男は、お相撲さんです」
「江戸時代には、お相撲さんに抱っこしてもらって、四股を踏んでもらうと、無病息災、元気に育つと言われておりました」
引率の保育士女性は、雷電を見て、「・・・まあ・・・それはありがたいことで」と、うれしそうな顔で、即決。
そのまま、雷電は、幼稚園児を順番に抱いては、豪快な四股を踏む。
そして、それを見る他の参拝客から、雷電の四股と同時に、「よいしょ!」「よいしょ!」の大声が飛ぶ。
幼稚園児たちは、うれしくて面白くて仕方ないと言った顔で、次々に雷電に群がって行く。
神威大和も満足顔。
「雷電も、幼稚園児たちも、神田明神様もお喜びだ」
「これが、本当の四股なのさ」
「みんなの気が、浄化されていくだろう」
森田愛奈も、楽しくてたまらない。
一緒に「よいしょ!」の声をかけている。




