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雷電の道場破り(11)雷電のシゴキ

「お?もろ差しか?」

親方の顔が輝いた。

何しろ、もろ差しになって一気に相手を寄り切るのが、横綱の得意の型だったから。


しかし、神威大和は、含み笑い。

「喜んではいられないよ」

「横綱の顔を見たらどうだい?」


神威大和の言う通りだった。

横綱が真っ赤な顔、全身から汗を流して寄ろうとしても、雷電は涼しい顔、ビクとも動かない。

おまけに

「何だ、せっかく、もろ差しにさせたのに」

「そんなものか?四股が足りてねえな、足腰が弱すぎる」

「てっぽうも、かっこだけで、本気でやってないだろう」

「ほら、真面目にやれ!」

と、ハッパを掛けられてしまう。


「腰を落として、そう、その角度で」

「そこで膝に力を入れて」

「足の指にも、聞いてるのか?」


横綱は雷電の指示に一々「はい!」と答えながら、全身に力を込める。

そして、ようやく雷電の身体が、半歩下がった。


しかし、次の瞬間、横綱は土俵に転がっている。


親方はあ然。

「雷電が少し腰を振っただけで・・・」

「あの大横綱が、赤子のように転がされて」


雷電は、横綱に声をかける。

「もう、全身がパンパンだろう」


横綱は、息も荒い。

それでも「はい・・・」と答える。


しかし、雷電の顔は厳しい。

「おい!横綱!これからが本当の稽古だ!」

「向かって来い!」


横綱の顔に気合が再び入った。

「行きます!」

勢いよく立ちあがって、再び雷電に突っかけて行く。


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