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雷電の道場破り(10)

横綱は顔を真っ赤にして、雷電にぶつかって行く。

しかし、雷電は、もろ手突きで横綱を土俵の外に簡単に出してしまう。

足腰が強いとの評判の横綱も、全く歯が立たないほどの雷電の強さである。


親方の顔が変わった。

「田舎相撲どころじゃねえや」

「あの大男は・・・神様かい?」

「相撲の神様か?」


親方の右隣に神威大和が座った。

「信じられないだろうが、雷電だ」

親方は、ギョッとして神威大和を見る。

「おい!マジかい?江戸時代の?嘘だろ?幽霊かい?」


その親方は、左隣に、また誰かが座った感覚。

「ああ、そうだよ、あの雷電関だ」

親方は、その声に聞き覚えがあった。

そして左隣を見て、腰が抜けるほど驚いた。

「え・・・先代の親方?横綱?」

何と、とっくに亡くなった先代の親方にして横綱を張った師匠が座っているのだから。


「おい、親方、オタオタするんじゃねえ」

「かの雷電関が、稽古をつけてくれているんだ」

「一瞬たりとも、その動きを見逃すな」

「ほら、あの足の運び、相手の力の逃がし方、突きの速さ、その角度、当てる場所」

先代親方は、まるで現親方に指導しているような、諭すような。


現親方は、至極、素直な顔になった。

「ああ、雷電関、もともとの力があって、身体も柔らかい」

「その上に、力みもなく、理にかなった身体の使い方」



さて、雷電は、横綱に対して、また声をかけた。

「おい!横綱、突かれてばかりじゃ、つまらんだろう」

「組んでみるか?それなら、もう少し相撲らしくなるかもしれん」


横綱の顔が、また明るくなった。

「はい!行きます!」と、さっそく雷電の前みつを取りに行く。

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