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雷電の道場破り(7)

雷電は、血相を変えて土俵に入って来た力士を、全て右手の突き一発で宙に浮かせ、土俵の外に叩き出した。

力士たちは、突かれた胸を押さえ、苦しむばかり。

自信も大相撲のメンツも喪失したらしい、誰も再び雷電に挑む者はいない。


雷電は、呆れ顔。

「面白くねえなあ、弱過ぎる、稽古しているのか?」

「横綱も、そんなものだろう」

「力士と言うよりは、相撲人形か」


相撲部屋の周りも騒がしくなって来た。

「おい!本当か?」

「あの大男が強いのか?それとも大相撲が弱いのか?」

「全て一撃、突き一発じゃねえか!」


怪訝な顔をする親方と横綱に神威大和。

「ああ、外にスクリーンを設置してね、相撲部屋の中を見られるようにした」

「それから、この状況は官邸、文部科学省、相撲協会、スポーツマスコミにも中継・・・それから、もう一つは内緒で言うよ」


親方の顔が真っ赤になった。

「おい!勝手なことをして!」

その親方に森田愛奈が走り寄って、耳元で何かをささやく。

すると、親方の真っ赤な顔は、途端に青ざめ、その身体も震えだす。


さて、雷電は、そんな周囲には興味がない。

見ていただけの横綱を睨みつける。

「おい!土俵にあがるのか?」

「やるのか、やらないのか、はっきりしろ!」

「俺に勝つ自信が無いのか?」

「それが天下の大横綱か?」

「こけおどしの、弱虫野郎か?」

「それでも若い力士たちは、土俵に来たぞ!」


親方の顔が苦渋に満ちた。

「やれ・・・せめて土俵に」


横綱は、ようやく立ち上がって、土俵に向かって歩き出す。

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