森田愛奈にも弁財天のご利益が
「ところでね、愛奈さん」
弁財天は杉田玲奈から離れて、森田愛奈の前に。
森田愛奈は、途端に胸がドキドキする。
とにかく弁財天が可愛くて美形過ぎて、真正面で見ると魂まで奪われそうな気がする。
その弁財天はクスッと笑う。
「愛奈さんも、神威君のお世話で大変よね」
「普通の人間から見れば、信じられないことばかり」
「もっとも、この私も架空の、今の人の言葉なら異世界の神かな」
森田愛奈は図星なので「はぁ・・・」と、応えるしかない。
すると、弁財天の腕が伸び、森田愛奈をギュッと抱きしめる。
森田愛奈は、慌てた。
「え?あ?弁財天様?心の準備が・・・」
しかし、すぐにトロンとした感覚が全身を浸す。
「でも・・・いい感じ・・・」
「弁財天様のお胸から、私の胸に何かが入って来る」
「温かくて、力強くて」
弁財天は、森田愛奈を抱きしめながら語り掛ける。
「愛奈さんにも、私の力を分けます」
「神威君をしっかりと支える力」
「オタオタしない力、神威君の人間界での支え役になってね」
森田愛奈は、具体的なことは、よくわからない。
しかし、弁財天の胸から、自分の胸に入って来る不思議な力が、極楽のような快感なので、「はい」としか答えられない。
少しして、弁財天は、森田愛奈から胸を離す。
「これで大丈夫、神威君の足手まといにはならないよ」
「それとね・・・愛奈さん、自分の胸を見てごらん?」
森田愛奈は、「え?」と、弁財天に言われるがままに、自分の胸を見る。
そして驚いた。
「え?あれ?」
「ほお・・・これはこれは・・・立派に」
森田愛奈は、途端にご機嫌になっている。




