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豪華温泉湯船に、弁財天が登場

「愛奈ちゃんと玲奈ちゃんね」

鈴を鳴らすような可愛らしく美しい声が風呂場に響いた。


森田愛奈と杉田玲奈が同時に「え?」と振り向くと、まさに輝くような美少女が湯船の中から手招きをしている。


森田愛奈はキョトン。

「あ・・・はい?」

杉田玲奈は首を傾げる。

「私たちの名前を知っている?」


しかし、キョトンとしようが、首を傾げようが、二人の足はその美少女のほうに自然に向かってしまい、とうとう美少女の前に立ってしまった。


その美少女は、二人を見てにっこり。

「神威君にお願いして、ここにいるの」

「女の神、水の神でわかるかな?」

「それと芸能の神」


森田愛奈が、まだキョトンとなる中、反応したのは杉田玲奈。

恐る恐る「・・・あの・・・そうなりますと弁財天様?」


杉田玲奈に「弁財天様」と言われた美少女は、うれしそうな顔。

「はい、その通り」

「神威君が面白そうなことをするって聞いたのでね」

「つい頼み込んだの」


森田愛奈は、また頭がグラグラとするような混乱。

「異世界、異なる時代、聖母マリア様、モーツァルト、4人の武人、金さん・・・」

「今度は神様・・・はぁ・・・」


弁財天は。杉田玲奈に語り掛ける。

「アイドル事務所にいたよね」

杉田玲奈は「あ・・・はい・・・」と微妙な顔。

やはり、売春組織の犠牲になりそうだったこと、事件としては片付いたとは言え、自分の心は片付いてはいない。


弁財天は、そんな玲奈の思いを感じたのか、ぎゅっと抱きしめている。

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