森田愛奈と杉田玲奈は豪華温泉に
モーツァルトは現代日本に来た時と同じ、大きくて真っ白な飛行船に乗り、その姿を消した。
森田愛奈が神威大和に聞く。
「神威君、本当に信じられないことが続いているんだけど」
杉田玲奈も同感なので、神威大和の顔を見る。
神威大和は、やさしい顔。
「不思議と言われても、それができる、できる力を与えられている、ということ」
「大切なことは、正義を通し、困っている人たちを救うこと」
森田愛奈と杉田玲奈は、顔を見合わせて、まだ不思議感が消えない。
神威大和は、剣道の鈴木が入った小屋の方向を見た。
「鈴木君は、また別の食事メニューになります」
「何しろ、小次郎、武蔵、十兵衛、雷電との武術修行の真っ只中なので」
執事エルフが声をかけてきた。
「先に温泉に?それともお食事に?」
神威大和は、森田愛奈と杉田玲奈を見る。
「どちらでも、構いませんが」
森田愛奈と杉田玲奈は、顔を見合わせることもない。
「はい!温泉に!」
と答えると、エルフが笑顔、しっかりと頭を下げる。
「本日のお風呂は、伊豆の湯です」
「お着替えも準備いたします」
「お風呂からの眺望も、ご期待ください」
「では早速」
そんな期待感を持たされたので、森田愛奈と杉田玲奈は、そのまま温泉旅館に直行。
豪華な脱衣場で、ポンポンと服を脱ぎ、風呂場のドアを開ける。
まず杉田玲奈が大騒ぎ
「えーーー!本物の富士山?きれい・・・で・・・あの海は駿河湾?
「みかん畑とかあって、伊豆だねえ」
森田愛奈は、洗い場を見て驚く。
「すごい、とても高くて買えないようなボディーシャンプーとかシャンプー、リンス・・・」
「マジに豪華温泉だ」
そんな驚きに包まれる二人であったけれど、ゆっくりと近寄る異形には、まだ気がづいていない。




