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モーツァルトVS現代日本音楽界の闇(14)

聴衆は生モーツァルトに酔いしれている。

しかし、審査委員長や審査員に「献金」をして音楽コンクールの順位を「買おうとした」演奏者やその指導講師、家族、楽器店関係者は、その楽屋で気が気ではない。

なにしろ、ホールのロビーは当然、楽屋の出入り口にも、音楽マスコミや一般マスコミ、ワイドショーまで待ち構えているのだから。

そして、結局、内輪もめが始まった。


「楽器屋さんが、金を献金するだけって言ったのに」

「長年の恒例なんでしょ?」

「あの審査委員長に限らず、どんなコンクールでもって・・・そう言うから」

「余程の本番ミスがない限り、献金額通りでしょ?」

「それが何で暴かれるの?今後どうなるの?」

「ダメだよ、今さら!実名でネットで騒がれているし、動画サイトでも」

「全ては楽器屋さんと審査委員長が悪い!」

「そんなこと、ありません、遠回しに私は言っただけ、責任はありません」

「いや、金額をメモしてありますって!日付も書いて」

「今までつぎこんだお金を返して!数千万ですよ、とんでもない」

「順位をそれとなく言ったら、喜んでお金を出したのは、貴方たちでしょ?」


さて、ステージではモーツァルトの演奏が終わり、万雷の拍手と歓声を受けている。

森田愛奈が神威大和に声をかけた。

「神威君、これからどうする?」

神威大和は、モーツァルトを手招き。

「自由が丘に一旦、帰るよ」

モーツァルトも頷く。

「そうだね、ここにいても仕方ない」

神威大和が森田愛奈に答えた。

「今、楽屋で演奏者と家族、楽器屋がもめているはず」

「その実況も官邸と警察庁に送っているよね」

森田愛奈は「はい」と頷く。

神威大和は、厳しい顔。

「後は日本政府に任せる、他にもやるべきことは多い」

「さっさと帰ろう、ここから出たい」


森田愛奈が、「え?他にも?」と聞き返した時だった。


神威大和の瞳が輝き、全く目を開けていられないほどの眩しさ。

そして、次の瞬間、森田愛奈は、また驚いた。

ユニコーンの運転する黒ベンツに、神威大和、モーツァルト、そして自分が乗り、首都高を走っているのだから。


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