表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/154

モーツァルトVS現代日本音楽界の闇(2)

一行は、ピアノの音が聞こえて来た家の前に到着した。


森田愛奈が家の壁に下げられた看板を読む。

「北島ピアノ教室と書いてあります、上野にある音楽大学卒とか」

「日本でもトップクラスの権威ある音大です」


神威大和は、唇に指を当てて、森田愛奈を制する。

するとピアノの音に混じって、小さな女の子の泣き声が聞こえて来る。


モーツァルトが嫌そうな顔になると、今度は中年の男性の怒り声。


「この下手くそ!ピアノなんてやめてしまえ!」

「自己流過ぎる!俺の指導に従え!」

「それでも人間か!お前は!犬や猫だって、飼い主の言葉がわかるぞ!」

「顔が不細工なら、ピアノも頭も不細工だ!」


森田愛奈は我慢が出来なくなった。

「神威君、これ、パワハラ、モラハラ、人格攻撃です」

神威大和も頷く。

「事件として、取り扱う」

「こんな指導が恒常的に行われていれば、自殺者も発生しかねない」

「ここまで聴こえて来るのだから、近所の人も目にしているはず」


森田愛奈は、たまたま隣の家から出て来た中年の女性に声をかけた。

「総務省の官僚をしております森田と申します」

「偶然、この家の前を通りかかったら、ピアノの音に混じって泣き声が」

その中年の女性も心配そうな顔。

「ああ・・・はい・・・いつも、心配で」

「指導が厳し過ぎて、時々怪我人も出ていまして」

「それでも、どういうわけか、不問にされて」

「人権問題になるかと思うのですが」


その言葉を受けた森田愛奈の動きは速かった。

「法務省に人権問題を扱う知人がいます、すぐに来させます」


そんな話の中、中年ピアノ講師の怒鳴り声と文句は、ますます大きく酷くなっている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ