神威お悩み相談事務所二階の見学
ピンクと白が基調の、お洒落なアールデコ風の階段をのぼり、3人は二階へ。
エルフが説明する。
「予定では、広めの4部屋程度、増築は状況次第です」
「お悩み相談受付の宿舎として、人数が増えた場合に考えます」
神威大和が、手前の部屋を開ける。
「日本で言うと、20畳程度」
「キッチン、バス・トイレ、ベッド、テーブルと椅子、クローゼットもある」
森田愛奈は、「上品なホテル風」と安心。
それよりも「自分の恥ずかしいプチ乱雑部屋」が再現されなかったほうが、もっと安心。
「あ・・・これで十分です、全く問題ありません」と答え、了承の意を示す。
エルフは少し笑い、森田愛奈に。
「トイレはともかく、お風呂が狭いので」
神威も、クスッと笑う。
「もう少ししたら、この神威事務所とは別に、温泉旅館風の建物を考えています」
「やはり日本なので、それは必要」
「今は、どこの温泉風にするかなと、選んでいる状態」
そんな説明が終わり、3人は神威お悩み相談事務所を出て、お花畑の中の白い大テーブルに戻ると聖母マリアが笑っている。
「私は温泉なら、駿河湾と富士山が見える西伊豆風に」
「佐々木小次郎君は九州の湯布院かな」
「それから雷電君は信州の温泉かしら」
森田愛奈は、宮本武蔵と柳生十兵衛が気になった。
「あの・・・武蔵さんと十兵衛さんは?」
神威大和は、含み笑い。
「ああ、あの二人は・・・言いづらい、お嬢様には」
「彼らのお風呂は・・・言えないかな」
森田愛奈が首を傾げている暇はなかった。
「着替えたよ、どう?」
モーツァルトの声が聞こえて来た。
そして杉田玲奈と歩いて来るモーツァルトを見て、森田愛奈は目を輝かせている。




