神威お悩み相談事務所一階の見学
神威大和と森田愛奈、エルフは、まず、一階の待合室に入った。
エルフが説明を始める。
「森田愛奈様の御趣向を予想いたしまして、アールデコ風の内装」
「やわらかな薄いピンク色を基調としております」
森田愛奈は、歩き回って大騒ぎ。
「カーテンもお洒落だなあ」
「この濃紺ソファのしっとりとした落ち着き」
「へえ・・・飲み物も様々、珈琲から緑茶、ジュースまで・・・」
エルフが説明を加える。
「飲み物は全て無料、最上級のものを準備いたしております」
「ただセルフサービスになっております」
森田愛奈の関心は、受付の机と椅子に移る。
「うわ・・・この机もと椅子もかっこいい、お洒落」
神威大和が机の上に置かれたタブレットを手に取る。
「森田さんは、このタブレットでお悩み受付を」
「相談者や内容を入力した時点で、官邸や、関係省庁、関連部署に転送されます」
森田愛奈が納得していると、エルフが相談室の扉を開く。
神威大和が説明。
「日本で言う床面積で言えば、50畳程度」
「中央に大きなテーブルと椅子のセット」
「飲食や宴会も発生する可能性があるので、少々大き目なセットに」
「正面の壁一面がスクリーンになります」
「また、そのスクリーンから、様々な、人間が言うところの異世界、あるいは人間界の様々な時代、場所に転移することができます」
森田愛奈は、驚くばかりだけれど、すでに「異変慣れ」しているので、疑問は挟まない。
エルフが森田愛奈の顔を見た。
「森田様のお部屋は二階で構わないでしょうか」
森田愛奈は、「え・・・あ・・・はい」と、面白そうな顔。
何より、どんな部屋になっているのか、見たくて仕方がない。
神威大和が森田愛奈に質問。
「現在のお住まいと同じにするか、あるいはまったく別の形にする?」
森田愛奈は、「はっ・・・」と顔を赤らめる。
万が一、「ちょっと乱雑な我が部屋」が神威大和とエルフに再現されてしまうのが、実に恥ずかしい。
森田愛奈は、そんなことですぐに答えられず、ちょっと焦っている。




