神威大和と次なる計画
神威大和は、しばらく鈴木と武人4人の動きを見て、踵を返した。
「鈴木君は、彼らから才能を見込まれて、厳しい鍛錬過程に入る」
「それが終われば、おそらく人間界では最強の剣士になるだろう」
エルフが神威大和の前に立った。
「金さんは、また元の世界に」
神威大和はクスッと笑う。
「久々の口上で、面白かった」
「今度は誰に出て来てもらおうか」
エルフも、少し笑う。
「そうですね、銭形平次、それとも鼠小僧治郎吉とか?」
神威大和は、また少し考える。
「芸人もいいかなあ、あの師匠連中を」
エルフ
「私も火炎太鼓が懐かしくて、時そばも捨てがたい」
森田愛奈と杉田玲奈は一緒に歩きながら、「もしかして落語?」と顔を見合わせる。
神威大和は頷く。
「ああ、師匠連中が怒っていてね、今の芸人の酷さを」
森田愛奈が反応する。
「そうですねえ、場当たり的な笑いが多いような」
「楽屋ネタとか悪口ばかりで、練り上げられた芸がない」
杉田玲奈も頷く。
「私も、昔の芸人のほうが好きです」
「雑談ばかりの芸より、しっかりとした噺を聴きたいなあと」
神威大和は、うれしそうな顔。
しかし、首を横に振る。
「でもね、先にモーツァルト君に活躍してもらう」
そして杉田玲奈を見た。
「モーツァルト君に玲奈さんの歌のレッスンを頼んだ」
杉田玲奈の顔が輝いた。
「え?うれしい!歌うの大好き!」
少し寂しい森田愛奈が神威大和の袖を引く。
「ねえ、神威君、私には何もないの?」
神威大和は、「ああ、考えてある」と、意味深な笑いを浮かべている。




