自由が丘駅前いじめられ少年鈴木も、異世界の住人に
鈴木は、神威大和の誘いを素直に受け入れた。
「わかりました、辛い時に助けていただいたお方は、信じます」
「本当に不思議な世界ですが、安心できるような気がして」
神威大和が4人の武人を紹介すると、鈴木は目を輝かせる。
「小次郎様、武蔵様、十兵衛様、雷電様・・・時代劇で・・・」
「信じられないような気もしますが、今さら疑っても仕方がないので」
その鈴木の返事で、神威大和はすぐに反応。
「元々は、鈴木君は、剣道の特待生入学、それを妬まれていじめられた」
「寮生活だったから、それをやめて、ここに住まないか?」
「そうすれば厳しいかもしれないが、4人の超名人の指導が途切れなく受けられる」
「ああ、家賃もいらない、部屋は私が作る」
この神威大和の言葉には、素直な鈴木も驚くけれど、神威大和の動きは止まらない。
その指をパチンと弾くと、少し先に山小屋のような家が出現する。
鈴木が呆気に取られていると、神威大和が鈴木を山小屋に案内する。
神威大和
「この扉を開けて」
鈴木
「はい・・・え?囲炉裏端?」
神威大和
「一応電気設備はあるけれど、お風呂は、薪で沸かす」
「純和風さ」
「それから、壁の勝手口を開けてごらん?」
鈴木は、神威の言う通り、壁の勝手口を開け、驚いた。
「え?ここは・・・深い山の中?沢が流れていて・・・鳥の声も」
驚く鈴木に野太い声が聞こえて来た。
「おい!小僧!木を伐る、手伝え!」
神威大和は「あれは武蔵君」とクスッと笑う。
鈴木が、慌てて飛び出していくと、また別の声。
「おい!そのへっぴり腰は何だ!もっとシャンとしろ!」
「木を伐ったら、かつげ、ヨロヨロするな」
「今日から薪割りは、小僧に任せる」
鈴木は、声をかけられるたびに、元気よく「はい!」と答え、キビキビと動いている。
神威大和が、いつの間にか見に来ている森田愛奈と杉田玲奈に説明。
「武蔵君の後は、十兵衛君、雷電君、小次郎君が声をかけた」
森田愛奈と杉田玲奈は、再びの異世界の出現で、驚くばかりになっている。




