白雲から降りて来た男たちは?
白雲から降りて来たのは、4人の厳めしい男たち。
全員が日本風の着物姿、長刀を背負った長い髪の男、二刀差しの男、太刀と小太刀を差し片目に眼帯をつけた男、それと刀剣類は身につけていないけれど身長約2メートルの筋肉隆々の男。
共通するのは、全員が髷を結っていること。
またしても呆気にとられる森田愛奈と佐々木玲奈に、神威大和が4人の男たちを紹介する。
「歴史好きな人はわかるかもしれない」
「佐々木小次郎君、宮本武蔵君、柳生十兵衛君、それから雷電為衛門君」
「この4人に、屋敷の東西南北を守ってもらう」
モーツァルトが神威大和に質問。
「日本の屋敷だから、日本人の勇者に守らせるの?」
神威大和は頷く。
「ああ、その通り、彼らもかなり強いから」
聖母マリアが、ニコニコと4人の武人に話しかける。
「人は殺めない程度にね、それから、その衣装は、いかにも昔風なの」
「この玲奈ちゃんとお裁縫して、今風の衣装にします」
「佐々木小次郎」が口を開いた。
「一見して、平和そうだ、戦争がないのだろう」
「宮本武蔵」も頷く。
「道理で、みな、ふぬけた顔になっている」
「柳生十兵衛」は、懐かしそうな顔。
「久々の江戸だ、目黒の柳生屋敷では、よく稽古したものだ」
「雷電為衛門」は、東の方向を見る。
「今は領国に土俵があるのか、一度四股を踏んでみたい」
神威大和は、武人4人に声をかける。
「あまり暇だったら、道場を作ってやる」
「剣士は、そこで打ち合ってもかまわない」
「雷電は、相撲部屋にも案内しよう」
4人の武人の目が光る中、森田愛奈と杉田玲奈は、またしても「口あんぐり」状態になっている。




