組織幹部たちの動揺と異変
「汚物を好む鬼?」
「そんな鬼がいるのか?」
「まやかしだ、信じることはない!」
「いや、ほんまのこととしか、思えん」
動揺するばかりの組織幹部に、また信じられない事態が起こった。
ついさっきまで、自分たちと口論していた市民団体組織の面々の様子が、全く異なっている。
「どうして人間が、ススキ?」
「ゆらゆらと・・・あれほどいた人はどこに?」
「また、まやかしか?」
そんな動揺する組織幹部の中に、一人、冷静を取り戻した男がいた。
「いや・・・慌てるな」
「まだ、最後の手段がある」
「それを開けばいい」
しかし、他の幹部が不安な顔をする。
「いや・・・あの最後の手段は危険だ」
「倒す相手ばかりやない、俺たちまで危険や」
「命までや、もう少し様子を・・・」
するとまた、他の幹部たちが異様に気づく。
「何や、生臭い臭いがせんか?」
「魚の腐ったような」
「妙な、臭い風が、頬にあたるような」
「カアカアとカラスの鳴き声が・・・」
「それも、いやにたくさんのカラスや」
「何やら、えらい不気味や」
次の瞬間だった。
組織幹部と市民団体組織の面々が集っていたアジトの壁が、いきなり消え去った。
そして、組織幹部たちの目に、実に恐ろし気な、異様な風景が広がっている。




