東名高速にて(1)
一行は、環状八号線から東名高速道路に入った。
天気も良く、車の流れもスムーズ。
森田愛奈は、それでも不安。
「神威君、新幹線の方が時間的には」
神威大和は笑顔。
「ご心配なく、先発隊がいろいろ仕掛けを作っている」
そして杉田玲奈の顔を見た。
「玲奈さんの、おばあ様は、佐助君が確保したよ」
「今、大原の三千院にいる」
「何しろ、お住まいが御所の近くだから万が一もある」
杉田玲奈がキョトンとした顔。
さっそくスマホで祖母とスマホチャット。
そして驚いた。
「マジ?三千院で若い男の子とデート?」
「え?おばあちゃん、ニコニコしているし」
「隣のイケメン男子は誰?この人が佐助さん?佐助さんってお猿さんじゃないの?」
「若い頃のおじいさんにそっくり?」
「え?何?もう一度結婚式あげる?」
そんな会話を聞いている根津二郎(鼠小僧次郎吉)がプッと吹く。
「佐助さんは、変装の名人」
「老若男女、美醜も物ともせず、変装してしまう」
厚木付近になり、神威大和は、また違うことを言う。
「京都の帰りに、厚木で降りて寒川神社に参拝をする」
「ここにも、いと高き存在のお力が働いている」
イエスの顔も輝いた。
「全ての災難を取り除く八方除けですね」
「浄化のパワーに満ちた神の社」
理解できていない森田愛奈と杉田玲奈は、またキョトンとしている。




