VS京都焼却(2)
神威大和の表情も厳しく変わった。
「自分だけ、自分たちだけの考えが正義と盲信し」
「それ以外の人は、全て間違い」
「間違っている人間を矯正指導しなければならない、と判断しているのだろう」
「しかし、その矯正指導も、はかどらない」
「すると、自分たちと異なる考えを持つ人間は、滅ぼしてもかまわない」
「いや、滅ぼすべき、と断じる」
イエスの顔も厳しい。
「エルサレムを攻め、大量殺戮を行った十字軍」
「コンスタンティノープルを攻めた十字軍」
「アルビジョワ十字軍」
「魔女狩り」
「他にも言い切れないほどの、盲信的、狂信的な破壊と大量殺戮が繰り返されて来た」
地蔵は頷き、続けた。
「その首謀者は、まず天皇制反対論者」
「京都には、それにつながる寺社が多い」
「だから、手始めに京都を焼き尽くすべきと、組織内で演説」
「爆弾等は、京都の主だった寺社全てに配置すべく、部下が動いています」
「その爆破は、リモートにて行うので、組織の人間に被害はない」
「被害を受けるのは、善意で寺社をお参りしている人々」
「それから、その近隣住民など」
根津二郎が、相当に憤慨した顔。
「あちきには、馬鹿な野郎としか、思えませんね」
「単なるガキだ、そんなの」
そして神威大和の顔を見た。
「早速、手を打ちます」
神威大和は頷き、根津二郎を手招き、「何か」を小声で告げる。
根津二郎が、面白そうな顔。
「へえ!それはそれは・・・彼らを?」
「でもって、あの・・・彼を?」
「また珍しい人が出て来るのかな」
森田愛奈と杉田玲奈は、ワクワク感をおさえられない。




