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自由が丘お屋敷に、「あのお方」が入って来た
自由が丘の屋敷に戻った一行が、お茶を飲み、くつろいでいると、エルフが来客を告げた。
神威大和は笑顔。
「そろそろ、来られるかなと思っていた」
イエスもうれしそうな顔。
「あのお方も、どれほど悩める衆生の心を癒し、支えてきたことか」
森田愛奈と杉田玲奈は、首を傾げる。
森田愛奈
「さっぱりわからない」
杉田玲奈
「うーん・・・お寺のお香?そんな匂いもする」
根津二郎が、クスクスと笑う。
「見たことのない日本人はいないよ」
「あちこちに立っておられる」
「雨の日も、風の日も、暑い日、寒い日」
「いつも見守っておられる」
聖母マリアが立ちあがって、扉を見る。
どうやら、待ちきれない様子。
扉が開いた。
姿を見せたのは、錫杖と宝玉を持った僧侶だった。
森田愛奈は、目がパチクリ。
「マジ?お地蔵様?歩いて来た?」
杉田玲奈も立ちあがった。
「うわーーー!大好き!」
「お地蔵さん」は、そのやさしい笑顔で、ゆっくりと歩いて来る。




