表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/154

神威大和VS聖職者の欺瞞(12)

聖職者と打ち合わせをしていた工事業者を、神威大和が呼び止めた。


「ゴルゴダの砂って本当かい?」

聖職者にも聞こえるような、大聖堂内に響く大きな声。


工事業者は、「根津」のネームプレートを付けている。

そして神威大和の顔を見て、プッと吹く。

「いや、そこらへんの工事現場の砂です」

「砂を拾いに、イスラエルなんて行きません」


すると聖職者の顔色が変わった。

「おい!何だ!お前ら!」

「誰の許可を得て、大聖堂に入って来た!」

「それから、根津も部外者に勝手なことを言うな!」


その聖職者の前に、イエスが立った。

「ここは、神の家」

「神に祈りを捧げる家」

「誰が入っていい、悪いはないだろう」

「お前の言葉を、神が認めると思うのか?」


聖職者は、イエスの言葉に押された。

そして、足がガクガクと震え、身体全体が硬直するような感じ。

「いや・・・あの・・・」

「それはそれで・・・信者のために・・・」

「教会の発展のために・・・」


イエスの目が厳しく光った。

「それで、そこらへんの砂をゴルゴダの砂と偽り、献金箱に金を集めるのか?」

「偽りの金ではないか?」

「その金の使途は、お前の教会内での出世の資金か?」

「その行為のどこに、迷い苦しむ人を救うものがあるのか?」


聖職者はイエスの言葉に、全く反論できない。

何故、足が震えるのか、身体が硬直するのかもわからない。

とにかく目の前に立ち、自分の言葉を投げかける男に、気が遠くなるような、恐ろしいほどの威圧を感じている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ