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神威大和VS聖職者の欺瞞(6)
聖母マリアの「あの子」の言葉に、森田愛奈と杉田玲奈は、身を震わせた。
森田愛奈
「あの・・・もしや?」
杉田玲奈
「・・・ここのお屋敷は、何でもありで・・・それにしても」
森田愛奈は混乱。
「お化粧直そうかなあ、困った」
杉田玲奈も同じように焦る。
「礼服がいるのかな、正装に?」
神威大和は、そんな二人に失笑。
「そんな気難しい彼ではないさ」
聖母マリアも笑い出す。
「当時の私の家は、そんなに裕福でありません」
神威大和は聖母マリアの顔を見た。
「彼なりに、普通の服にするはず」
「マグダラのマリアさんも来るのかな」
聖母マリアは、笑顔。
「そうね、何とかしてくれるでしょう、彼女なら」
そんな話をしていると、会議室のドアにノック音。
エルフがドアを開けて、「今、お二人、来られました」と告げると、30歳くらいのカップルが入って来た。
神威大和が笑顔。
「ありがとう、イエス君」
「それから、マグダラのマリアも、わざわざ」
聖母マリアは、ソファに二人を手招き、一緒に座る。
「イエス」と「マグダラのマリア」も笑顔。
ただ、森田愛奈と杉田玲奈は、ガタガタと震えているだけの状態である。




