渋谷事件(7)
神威大和の指示により実施された強制捜査において、早速、様々な犯罪事実が明らかになった。
「グラビアモデルスカウト」と称し、実際は多数の未成年女性の売春斡旋を行っていたこと。
反発する未成年女性には暴行、あるいは薬物注射を施して、暴力団の意のままにしていたこと。
売春斡旋する相手は、与党野党問わず国会議員の名前がパソコン内のデータとして残っていた。
財界の要人や霞が関や都の役人、マスコミ関係者、警察官や裁判官の名前も大量に発見された。
署長室にて、その捜査資料を見た神威大和は、警察署長に厳しい顔。
「見逃していたのですか?」
警察署長は、真っ青な顔。
「いえ・・・そのようなことは・・・」
神威大和
「まさか、署長の名前は・・・」
警察署長の肩がガクンと落ちる。
神威大和は酷薄な表情。
「結局、警察は、地域のゴミと仲間か」
「余計な金も、署長の懐に?」
「調べれば自供するかな、署長自身への聴取も必要だ」
その言葉と同時に警視総監が署長室に入って来た。
警視総監は深く神威大和に頭を下げる。
「このたびは、とんでもないことに・・・」
神威大和は厳しい顔をやめない。
「徹底的に捜査を願います」
「悪は悪として、厳格に検挙を」
「その旨、首相と意思は通じている」
署長室のドアがノックされ、森田愛奈が入って来た。
自殺未遂の少女を連れている。
森田愛奈は、その少女に目をやり、神威大和に。
「一晩、署長の相手をしろと、言われたそうです」
「金額は30万とも、署長だからバレることはないとも」
署長の顔は真っ青、そのまま床に崩れ落ちてしまった。




