推定悪役令嬢が往く

優れたバランス調整が施され笑いあり感動あり涙ありのストーリーを備える大作RPGパート、こちらも優れたバランス調整が施され山あり谷あり事件ありの大作経営SLGパート、前者二つの戦績によってはバランス崩壊もしかねない一つ一つの戦場にドラマと見せ場がある大作戦争SLGパート、以上三つのパートの結果に物語が大きく左右される恋愛ノベルパート。これらを包括するそのゲームが世に売り出された時に冠したジャンルは乙女ゲー。RPG・経営SLG・戦争SLGそれぞれ平均１００時間以上のプレイ時間を必要とし、恋愛ノベルパートの隠しストーリーを見る為には必要総プレイ時間が１０００時間を超えるとも言われた大作。それぞれの要素は素晴らしいと評価されつつも当然ながらゲーム全体に下された評価は…まごう事無きクソゲー。世の乙女ゲーをプレイしたい少女達はその他の要素に何百時間も付き合っていられなかったのである。残当。これは、そんな一つ一つの要素だけで売り出せば良ゲーにもなれたはずなのに何故か闇鍋になってしまった哀れなゲーム…の存在を全く知らない主人公が、そのゲームの世界の恋愛ノベルパートの悪役令嬢役に異世界転生してしまう話。女の子が現実にやるにはハード過ぎるRPGパートの戦闘が、書類の山が襲いかかって来る経営SLGの事務仕事が、下手にドラマの背景が用意されているものだから回避するのが非常に困難な戦争SLGパートのいくつもの戦場が、悪役令嬢である主人公に襲いかかる。主人公は三つのパートを乗り越え、更には恋愛ノベルパートにおける悪役令嬢目線でのバッドエンドを回避出来るのか？頑張れ悪役令嬢、負けるな悪役令嬢！この世界の命運はなんだかんだと言いつつも恋愛ノベルパートにおける本来の主人公よりも君に懸かっている！

※平日１８時更新