しろくそまるせかい
真っ白く霜の降りた風景を見ながらの通勤途中、ふと感じたことです。
朝目覚めて、
息を白くしながら起き上がり、
暖房に火を入れる
底冷えのする日だ
窓をあけると、
そこは、白く染まる世界
煙のような息
背筋が震えて、身体がかじかむ
直ぐに窓をしめてから、
白い息をはいて外をながめる
白く染まるせかい
向かいの屋根も、ちゅうしゃじょうも、
白にそめられている
鮮やかないろも、
汚れたけしきも、
しろに隠されそめられてゆく
しろいせかい
つきささるような、
つめたくすんだくうきが、
こころのよどみを、
しろくきよめてゆく
いきをしろくしながら、
せかいにとけてゆくわたし
まっしろなわたしとけしきと、
そこはしろくそまるせかい