表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/62

◆◇◆道しるべ◆◇◆

 僕たちは出発した。

 直ぐに見つけられるとは思っていないから、一週間分の食料を持ってホークさんが行ったと言う町を目指す。

 狭い獣道を3日歩くと、ようやく荒れた道らしきものを発見した。

 伸び放題伸びている草や倒れて道を塞いでいる木の様子から見ると、最近人が通った形跡は無さそうだ。

 道は東西に伸びていた。

 地図を持たない僕たちにとって、山を下るとか南に向かうと言った簡単な事は出来るが、東西に伸びる道のどちらに向かえば良いのかと考えたときに、明確な根拠を示すものは何もない。

「棒を投げて決めるか?」

「まあ、いい加減ね」

「だって、それ以外に決めようが無いじゃないか」

 僕が困った顔をすると、アーリアが「あるわ」と言って空を見上げた。

 つられて空を見る。

 青い空。

 その空の高い所に1羽の鳥が悠々と飛んでいる。

「ホークさん?」

「分からない」

 空を飛ぶ鳥があまりにも空の高い所を飛んでいるので、その鳥が鷲なのか鷹なのか種類までは分からない。

 しかしホークさんが敵であれ味方であれ、もしあの鳥がホークさんだったとしたら、きっと僕たちをどこかに導こうとしているのに違いない。

 僕たちが思った通り、鳥はクルクルと空を舞いながら、西に向に向かって飛んで行く。

「西……西に行ってみよう」

「ええ」

 ホークさんが敵か味方かはまだ定かではない。

 でもあの鳥がホークさんであれば、どのみちミカールの捜索隊へと僕らを導いてくれるはず。

 だた、導かれた結果が違うだけ。

 味方なら、僕たちが先に捜索隊を発見する。

 敵なら、捜索隊が僕たちが来るのを知っていて待ち構えている。

 いずれにしても、何らかの結果は出る。

 しかし只の鳥だった場合は、棒を投げて行先を決めた事と同じ結果になるだけ。

 僕たちが今求めているのは、結果。

 その結果がどうあれ、僕たちは運命に従うだけだ。

 それから半日歩くと、丘の向こうから数人の話し声が聞こえて、そーっと近づいて行くと、槍の穂先も見えてきた。

 “ミカールの兵士!”

 僕とアーリアはお互いの顔を見つめ合い、息をのんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ