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怖ろしい受付嬢  作者: 舞夢
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怖ろしい受付嬢に食事に誘われてしまう

我がアパートの前に立っていた「怖ろしい受付嬢」は、いったい何の用事があって、そこにいるのだろうと思ったけれど、特に自分自身が彼女に用事があるわけではない。

下手に声などかけて、また「不審者」扱いされても困る。

とにかく、我がアパート前で騒ぎを起こされるのは好ましくない。

会釈もせず通り過ぎ、アパートの玄関の前まで進んだ。


すると受付嬢が走り寄ってきた。

そして

「あの・・・本日は、誠に申し訳ありませんでした」

「私のとんでもない不始末で、失礼をしてしまいました」

震える声で謝罪してくる。


そんなことを今言われても、こちらでは困る。

「あの・・・特に気にしてはいませんので」

「もう、済んだ話として」

「ここに来られた理由は問いません」

「夜も遅くなります、明日のお仕事に差し支えないようにお帰りください」

と言うけれど、彼女は頭を下げたまま。


また、ここで困った。

とても、この彼女をこのままにはしておけないと思う。

我がアパートの雑然とした部屋に入れるのは、本当に困る。

何しろ、独身だし、掃除も確かに不徹底。

とても、若い娘を入れることは倫理的は当然、物理的にも無理。


「疲れるなあ」と思いつつ

「部屋に入ってもらうことは、さすがにできませんので」

「謝罪のお気持ちはわかりました」

「駅まで送ります」

そう言うと、少しホッとした様子。


そして受付嬢

「せめてお食事だけでもと」


そんなことを言われても

「おいおい・・・疲れている、こっちは」

で、ためらっている。

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