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昔の物語
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むかしむかし、1人の美しいお姫様がおりました。いろいろな国の王子がこのお姫様に求婚しましたが、お姫様は自分をいつも守ってくれる騎士を愛していました。王子たちは、騎士がいなくなればお姫様が自分たちを見てくれると思い、騎士を殺してしまいました。それを知ったお姫様は、嘆き悲しみ愛する騎士の亡骸とともに、森の小屋に身を隠しました。そして神に祈ったのです。騎士を殺した者に罰が下るようにと。全ての男が憎い。騎士との結婚を認めてくれなかった両親が憎い。そして、自分自身が憎いと。やがてその思いは呪いとして姿を変え、森を覆いました。その憎しみから魔が生まれ人を襲いだしました。人々は魔と戦い何とか、魔を森に封じることに成功しましたが、これには代償が必要でした。それが、森の8方向に散った魔女たちでした。魔女は自分の身を結界の要として、魔を封じ込めたのです。そして人々は、森の外で幸せに暮らすことができたのです。魔女は、ひたすら静かに結界を守り続けているのです。