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第六話 はじめての 中編

俺とミキは駅の近くの中心街を散策し、何とも高級そうなカフェテリアのドアを開けた。


ミキは今日の為に普段乗らない電車に乗ってここまで来た為、全くこの町の事が分からない。

まぁ、つまりこの町をよく知ってる俺がミキをリードする事で、ミキの俺に対する得点アップに繋がるわけだ。


それにしても・・・ミキって体細いなぁ〜。

あと・・・ミキの穿いているスカート・・・超短いから、たまにチラチラ白いパンツが見えちゃったり・・・。



「おっ。 あそこがいいな。」

俺はミキを先に座らせ(得点アップの為)、テーブルを間にお互い向かいあって座る。

学校一の美少女であるミキは、ソワソワして落ち着きがない。


「どうしたミキ? トイレ?」

俺はコーヒーをすすりながら尋ねる。


「えっと・・・その・・・男の子と、こんな所で・・・話すの、始めてで・・・。」

ミキは顔を赤くしながら言う。


「緊張してるの?」


「うん・・・。」


そう言って下を向く。

本当に恥ずかしそうに。


俺だから、じゃなくて、男の子だから、か・・・。



「ほら、コーヒー飲めよ。」


「うん・・・。」


俺より全然小柄で可愛いミキに見とれる。

ミキのコーヒーを飲むその手つきは手慣れており、その雰囲気からは気品さを感じさせる。


あー・・・そういえば、お決まりの台詞言っとかなきゃ。


「ミキ・・・服似合ってるよ。」


「あ・・・ありがとう。」


「セレブな服だよねぇ。」


「これ・・・お母さんが選んでくれて。」


「ちょっと触っていい?」


「え・・・?」


「いや・・・服の手触りを確かめたくて。」


と言って、ミキの服を触りながら、俺はミキの体の感触を確かめる。


はじめて触る女の子の体・・・。

お・・・女の子の体ってこんなに華奢なのか・・・。

俺の体みたいにゴツゴツしてなくて、すごく脆くて・・・。



「あの・・・。」


「あっ! ゴメン!」


しまった。何してるんだ俺は・・・。



「・・・。」


「あ・・・その・・・リョウ君の服もすごく似合ってる・・・。」

そう言ってミキはニッコリ笑った。


「あ・・ああどうも。」


正直もうちょっときちんとした服着てくれば良かったと後悔してたんだけど・・・。何たって某野球チームのユニフォームだしなぁ。


「リョウ君って野球好きなの?」


「えっ? あ〜これ野球部の先輩がくれたヤツなんだよ。新入生にはみんな渡すらしいよ。」


ふ〜んと頷くミキ。


「リョウ君って野球部?」


「あ〜そうだよ。」


「へぇ。 ちょっと意外かも。」


「意外? 何? 俺が野球部じゃダメって?」


「え・・!? そんな事言ってないよ・・・。」


俺は心でニヤリとした。


「いや、今そんな顔してた。 リョウ君はオタク部が似合ってるよって顔。」


「そんな事・・・」


「オタクみたいにパソコンでもいじってそうって顔・・・」


「言ってない!」


ミキは今にも泣きそうな顔でそう叫んだ。


「あっ! ゴメンゴメン!・・・いや、ちょっといじめてみただけで・・・。」

やばぁ〜、これじゃ俺悪人じゃね〜か。

完全に落ち込むミキを見ていじめた事を後悔する。

ミキって傷付きやすいんだなぁ。

これから気を付けよう・・・。



「・・・。」


何か・・会話を・・・。

あっ!ミキの好きそうな話を・・・。



「その・・ミキってフルート吹くんだよね?」


「・・・うん。」


「きっと上手なんだろうなぁ〜。 ミキが吹くフルートって。」

するとミキがこっちを向く。


「今下手くそって顔した・・・。」


「・・・は!?」

何だと!?


「本当はフルートなんて吹けないくせにって顔してた・・・。」


「そんな顔・・・」


「本当は全然聞きたくないよって顔・・・」


「してねーーよ!!」

俺は勢いよく立ち上がって叫んだ。



あっ!!


俺はさっきと同じ展開にまんまとハマった事に気付く。


すると、ミキは口に手を当ててクスッと笑った。


うわ・・・馬鹿だ俺・・・。


「な・・何がおかしいんだよ・・・」


「だって・・・リョウ君の顔・・・」

ミキはくすくす笑いながら言う。

その笑い方はとても品がある上に可愛かった。


色んな意味で俺は顔が赤くなり、


「・・・次行こっか。」

そう言って外へ向かった。


〈後編に続く〉

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