表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
七色魔道士の異世界日常~Prism Wizard~  作者: 砂味のぱふぇの人
〜第一章: 幼少期〜
3/20

#3: 物置に眠る本



それから約6ヵ月後…





よしよし…完全に身体をコントロール出来る様になってるな…ハイハイも完全に出来て、匍匐前進(ほふくぜんしん)、座る事だって出来る。残念ながら立つことは出来ないけどね…それじゃあ散策開始だな。


まずは本を探そう。確か…二階の物置にあるってあの二人が話してたな…うおっ…意外と急な階段だな…登れるか?よっ…ほっ…疲れるけど大丈夫そうだな。





よし…到着。えっと…ここかな?というかドアノブに手が届かない…くっそ…開かないかな?

…!!階段から誰か来る?


「…お坊ちゃま、何処にいらっしゃいますかぁ~?お坊ちゃま~?」


あ、どうやらメイドさんの『エルザ』さんの様だ。髪は綺麗な薄緑の美人メイドさん。確か他にも居るんだっけ…でも基本的にこの人が俺の世話をしてくれている。母も忙しいからね。魔道士だし。


「おや、お坊ちゃま?本当にここにいらしたのですか?動ける様になってから何処へでも行けるようになったんですねぇ…おや?物置に入りたいのですか?」


察しが良い人だなぁ…と僕は頷く。エルザさんはびっくりしてた。まぁ6ヵ月後位の赤ちゃんが階段登って言葉が通じるからね。


「奥様には内緒でございますよ?」


と、しっかりと物置のドアを開けてくれた。俺はしっかりとぺこりとお辞儀をして、物置部屋に入っていった。後に残るエルザさんはぽかーんとしていた様子だった。


「お坊ちゃま…天才なのでは?」




ーーーー

ーーー

ーー



少し探してみると、3つの本を見つけた。


一つ目は『初級魔道書』


二つ目は『グリモワールの魔女』


三つ目は『ペルセウスとアンドロメダ』


『初級魔道書』は、普通の魔道書。恐らく初級魔法が沢山記載されているだろう。あ、でも中級は少しくらい入ってるのかな?


『グリモワールの魔女』は絵本の様だ。しかし、文字が全く理解出来ない。初級魔道書もそうだけど文字が日本語とは掛け離れてる。


最後の『ペルセウスとアンドロメダ』、これも絵本の様だ。この本は英雄ペルセウスとアンドロメダの恋を描いた絵本。ペルセウスがアンドロメダを助け出して恋に発展するラブストーリーの様だ。というかギリシャ神話と同じなのね。確かペルセウスは試練を何個も受ける話だった筈だけど…文字が読めなきゃ意味が無い。文字の勉強でもするか。正直ペルセウスとアンドロメダくらいしか分からないからな。グリモワールってのは確か魔道書だっけ。それを手に入れた魔女の話かな?ともかく、今日から文字の練習をするか。







ーーーー

ーーー

ーー




よし、大体分かったぞ。どうやら、少なからず規則性があるっぽいな。それにローマ字にそっくりだから覚えるのは大概苦労しなかった。取り敢えず、『初級魔道書』を読むか。


ええと…『現世ニハ魔素ガ存在スル。魔素ハ魔法ヲ発現スル力ガアル、魔力ハ、己ノ固有スル魔法ヲ使ウ為の力デアル。魔力ノ総量ハ生後ヨリ決定サレル』


なるほど、魔素は魔法を保つ空気上の力で、魔力は自身が持つ魔法を撃つための力か。それと魔力総量は生まれながらにして決まるのか。ふむふむ…

ページをぺらりと捲る。


『魔法ヲ放ツニハ手先ニ魔力ヲ集中サセ、手先ヨリ放ツベシ。魔法ハ、先天属性ト後天属性ニヨリ使用ノデキル魔法ガ異ナル。』


ふむふむ…先天属性と後天属性か…俺は何なんだろうか?全てを焼き払う灼熱の炎?全てを流し清める神聖な水?何者にも捕らわれない自由の風?それとも全てを護る大いなる土?


『属性ハ、火、水、風、地、光、闇、無デアル。火ハ最モ優秀トサレル属性デ、水モ優遇サレル。風ハ使イ所が難シイガ、使イ方次第デソノ真価ヲ発揮スル。地ハ余リ優遇サレナイガ、トテモ実用的デアル。光、闇ハ特殊デ、希少価値ノ高イ属性デアル。無ハ最モ希少性ノ高イ属性デ、先天属性ニ無ヲ持ツナラバ、魔力次第デ最モ強イ魔道士ニナルデアロウ。』


無属性が一番希少性が高い訳か。というかこの本の筆者がアレなんだよね…

本の裏側に、金色の文字で『セレナ・ベルクレーテ』と書かれている。

お母さんすげぇや。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ