プロローグ
また、趣味で書き始めました。ペーペーですので暖かく見守ってくだされば幸いです
ある深い森の中。
「はぁっ!はぁっ!はぁっ!はぁっ!」
ガサガサ、ガサガサ
周りの木々を躱し、足元の草花に足を取られそうになりながらも走り続けている一つの人影。背は比較的高く青年のようである。
その後ろには複数のナニカが追いかけている。
「ギャギギャギャグギガ!!」
「ギャグガガギグギャギャ!」
追いかけている側である異形のナニカたちは終わらない鬼ごっこに怒りを感じているのか荒々しい鳴き声を上げている。
それもそのはずであり、彼らは1時間以上もつかず離れずの鬼ごっこを繰り広げていた。
しかし、荒ぶったナニカの声には疲労の色は見られない。
それに対して、青年は息もあがり動きに精細さがなくなりつつあった。
青年は周りの木々、草木を用いてなんとか距離を離そうとしているがなかなか功を奏していない。
「まずいな…」
青年は、走りつつもそう溢す。
己の限界を感じつつあった。
このまま逃げ続けていても、近いうちに力尽き抵抗する間もなく殺されてしまう。
想定される最悪の未来を回避できる手はそれほど多くはなかった。
青年は走りながら覚悟を決めた。
「いきなり実践ってのはきついがそうも言ってられないよな・・・」
そう聞こえた時には事態は動いていた。
ヒュッ!ガツッ!
鈍い音とともにそれらの足が驚きにとまる。
それにより、振り向いた影とソレラは向かい合った。
森に一条の光が差し込み互いを照らした。
向かい合っていたのは一人の青年とゴブリンと呼ばれる3体のモンスターだった。