10話:反劇-それで私は劫火となった-
私は死んだ。
邪神によって殺されたからだ。
このまま終わっちゃうのかな・・。
死んで・・楽になるのか・・。
それもいいかもな・・
・・。
・・。
・・。
”こんなところで終わっていいのかい?”
・・誰?
”もう忘れちゃうなんてひどいわ。”
・・その声は・・花ちゃん?
”そうよ。”
ごめん花ちゃん・・私死んじゃったみたい・・
”いいえ・・あなたはまだ生きているわ。”
心臓を貫かれたんだよ・・どうやって・・
”実はね、あなたの様子は死後の世界から見ていたの。あなたすごく頑張ったわね。かっこよかったわ。特に警察とのデッドヒートは燃えたわ。”
うん・・でも・・今は・・
”だからね、神様にお願いしたの。あの子を助けてあげてって。そしたら神様条件を出してきたの”
どんな?・・
”邪神を完全に滅し、世界を救ってくれるのなら力を貸すって。”
でも邪神には現代兵器は効かなかったよ・・どうやって倒すのさ・・。
”神様から授かった聖なる弓矢を目が覚めたらあなたの元へ送るわ。”
聖なる弓矢?
”この弓矢を持つと、邪神の本体が見えるようになるわ。この邪神の本体に矢を当てることさえできれば浄化の光によって邪神は強制的に死後の世界へ転送されるわ。”
うん。分かった。でも、どうやって生き返るの?
”あなたが勇気をもって進めば自ずと道が開けるわ・・”
道を・・開く・・。
私が・・あいつにするのはただ一つ・・救済でもなく、殺すことでもない・・
復讐だけだ!!!
目の前に光が広がった気がした。
気が付くと私が死んだ部屋にいた。手には弓矢が握られていた。
「ありがとう・・花ちゃん・・。」
そうして私は、海神を・・邪神を探しに行く。
これから行うのは単純に純粋な復讐。
私が引導を渡す・・。
私は劫火として再びこの世に帰ってきたのだ。
弓矢を携え、最後の決着をつけるべく神河の監禁場所へと私は足を運ぶのであった。
屋敷中探し回ったがそれらしい場所は見当たらない。
どこにいるんだ?
と屋敷内を探して窓の外に目が行った。
すると、庭にある小屋に海神が入っていくのが見えた。
”あそこか・・”
私はその場へ足を引きづる。
中はらせん階段になっていた。
私は音を立てずにゆっくり降りる。
下に行くにつれて、声が聞こえてきた。悲鳴のような声。
最下層に着くとそれはなんなのかわかった。
海神が神河をぶっていて、それに対する神河の悲鳴だ。
「よくもよくも・・陸守を・・」
「はあ?てめえ、いつからご主人様に逆らうようになったんだよ。犬はワンしか鳴かねえだろ、おら」鈍い音が聞こえた。おそらく骨が折れたのではないだろうか。神河の悲鳴は激しくなる。
聞くに堪えなくなったので私は飛び出していった。
「やあ、海神・・。」
「貴様・・なぜ生きている?確かに心臓の鼓動は止まっていたはず・・。」
「よお、陸守・・」
「おう、神河。待ってな・・いま助けてやるから。」
「はあ?お前は俺に再び殺されるんだよ。今度は首をねじ切って完全に殺す。」
「やれるものならやってみな。」そういい、私は弓矢を構えた。
「そんな武器で何ができる。」と海神は笑う。その後ろに見える邪神の魂も今ならはっきり見えている。
「こんな武器だからお前を倒せるのさ」こういった後に矢を放つ。
聖なる矢は光を発し、邪神を貫いた。
「ハア?貴様何をシタ。」
「死んだときにな、バーの男からもらったのさ」
「フン。やはり、貴様は邪魔なヤツダッタナ。」
「死人は黙って大人しく死後の世界へ行け。」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
邪神は悲鳴以上の悲鳴で消滅した。
邪神が消えるのと同時に弓矢も消えた。
「いったい何が起こったんだ・・陸守」
「取りあえず、ここから出てからすべて話すよ・・。」
そういって、海神屋敷を私は後にした。
この後、海神は業務上横領や、殺人などの様々な罪によって逮捕された。逮捕直後から服役中の現在に至るまで魂が抜けたような廃人状態になっているらしい。
また、天川は最近職に就いたらしくまじめに働いているらしい。一から出直すんだと周りに公言しているそうだ。
神河は肉体的損傷も激しいが何より精神的損傷の方が深刻のようだ。10年くらい監禁されていた影響で他人とのコミュニケーションが取りづらくなっているし何より、海神によって洗脳されていた時の後遺症が残っているらしい。だが、今のあいつには友人や両親がいるから大丈夫だろう。私も週2のペースで見舞いに行っている。
あの後すべての話をしたところ、神河とは仲直りすることができた。また、かつてのクラスメートとも次第に神河の件もあったため仲直りすることができた。私は10年前に失ったものを取り戻すことができた。
今回のケースはとても特殊であった。
”霊による集団催眠”その結果として、いじめを行うことで”集団殺人”にはならなくて済んだそうだ。
世界の秘境や文献にない場所にもこういったものはあるかも知れない。
しかし、どんな状況でもいじめは絶対に許されない行為だ。
その時は勇気をもって行動しよう。後に私のように復讐なんかしない方が得だ。
せっかくの人生なんだから毎日に楽しさを見出して、明るく生きる。
どんなにつらくても、いつかは解決するのだから・・
今回のように友達と仲直りすることもできると思いますよ。
とにかく
”今を生きましょう!”




