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ただの馬鹿なサル
少年の家は金持ちだった。知らないものは居ないほど金持ちで有名だった。だから、その手紙が来た時は皆騒然とした。金でなんでも出来るかと思っていた。一人の軍師を除いて皆そうおもっていた。だから少年は許さなかった。両親を戦いに徴収し死なせた軍師を許さなかった。許そうとも思わなかった。いつか軍師をぶっ殺すと決めていた。でも迷いがあった。自分は正しいのかと。
太陽が輝く中少年は大きく息を吸い大声で言っていた。
「お父さん! お母さん! わからないよ!」
本心であった。本当にわからなかった。何がしたいのか、自分でもよくわかって居なかった。でも自然に手には母がよく使っていた包丁があり、もう片方には父が常に持っていた輝く石が握られていた。