昔々
野宿はもう2度としないと思った。ソルがもう今日は寝ようと思い支度をした時は、まだ晴天で雨なんか降りそうに無かったのだがソルが寝た頃からシトシトと降り始め熟睡した頃には土砂降りになっていて、慌てて飛び起きたのだった。野宿のためもう一度寝るわけにわいかない。雨は降るし地面はグチャグチャ、とても寝れる環境では無い。時計を見るとまだ午前四時で、本当にもう一度寝たい気分だ。
仕方ないので、商店街へ情報を求めることにした。早朝にも関わらず全ての店が開いており活気に満ちていた。が、昨日散々情報屋を回ったので、もうソルは回るところが無かった。なので仕方なく、商店街をただ回ることにした。
「なぁ兄ちゃん、俺の話聞いてよ」
当然路地裏の方から子供の声がした。そちら目をやると頭にターバンのような包帯を巻いた、少し身なりの汚い少年が座り込んでいた。
「兄ちゃん聞いてってくれるのかい?」
子供は凄く輝いた表情でこちらを見てきた。ここで断らせないと言った顔でもあったので仕方なく、興味もあったので頷いた。
「ありがとうよ。あんた名前はなんだ? 俺は皆からタイって読んでるぜ」
妙だなと思った。この街で、俺のことソルのことをしらないやつなんているのか? いやいない。俺は一番の金持ちだろ? まぁ取り敢えず、軽く自己紹介をした。
「ありがとう。早速だけどさ、俺助けたい人が居んだよ。名前はナンナ。もしかしたら知ってるかもな」
知っているどころじゃ無い、今の俺の目的じゃ無いか。…もしかしたら、こいつからナンナに一気に近づけるんじゃ無いか?
「その顔じゃしってんな。ナンナは俺ら貧民街の健全民にとってヒーローなんだよ。」
貧民街の奴が何故ここにいるんだ? どうやってきたんだ? あそこの奴らは力が無いはず。力がなければここに来れないはず。
「よくここに来れたな。お前。貧民なんだろ?」
タイはバツの悪そうな顔をしながら、意地悪そうな顔をして口に人差し指を付けた。
「シーな。まぁ、あんたが言ったところで俺の力は透明化だから問題無いけどな」
透明化なんて強力な技を何故もっているんだこのガキは。
「なぁ、知ってんか? 貧民街で生まれた奴らは全員適性が無いんだぜ? 力の形があればどんな力でも自分の物にできるんだ。貧民街の奴らは全員力を持っている。元々どっかの誰かが持ってた力だけどな。だから自然と皆強力な力になるんだぜ?」
だったら何故、こいつらはそれを公にし一つの世界に住もうとしないのだろうか? その方が圧倒的に楽しいし楽だろうに。
「だったら何故、報告しな「嫌だからだよ」
こいつ食い入り気味に言ってきやがった。
「ナンナを傷つけ、今でも傷つけ続ける裕福なお前らが大嫌いだからだよ。どうせお前には意味がわからないだろうから教えてやるよ。ナンナはずっと苦しんでる。最初はなぁ」
やる気が起きぬまま書いたのであとから訂正して欲しいですね。