幸運の少年と破滅の少女②
破滅の少女の終日が、コウタの幸運によって打ち消されてから、10秒がたった。
2人ともさっきから一歩も動いていない。
「どういうことだ・・・?」
思わず俺は口に出してしまった。
それが聞こえたのかわからないけど、コウタは答える。
「これが幸運だよ」
相変わらず笑っている。今はそれが不気味だ。
「さぁ、こんなもんじゃないでしょう!? 破滅の女王!!」
そう言い、コウタは少女の方へ歩いていく。
俺は何もできない。
「くっ・・・!」
少女はずっと、塊を出しているが、
出したとたん、消えてしまう。
「はははははははぁ! ほらぁ! やってみてよぉ!」
どんどん2人の距離は縮まっていく。
その時、少女から笑みがこぼれた。
これには、コウタも不思議に思ったのか歩みを止める。
「ふっ・・・。まさかこの程度と思っていたら、ひどいわよ?」
「まさか。この程度だったら、僕泣いていたよ」
少女は未だに、黒い塊を・・・!?
黒くない!?
ついさっきまでは絶望の黒に染まっていたものが、
今では希望の白に変わっている!?
「へぇ、なるほどね」
と、コウタはいう。
「そう、あなたは正義主義って言ったわよね? なら、あなたにとって都合がいいのは
希望でしょ? これはあなたにとって悪いことじゃない。
だから幸運は使えない。結果的に私の勝ちー」
なるほど、と思った。
というか、今更気付いた。
・・・ここ危なくね?
俺死ぬんじゃね?
けど、俺は死にたかったんじゃなかったっけ?
あれ、なんで俺はこの世界を終わらせようと思ったんだ?
「まさか・・・!!」
少女が何かに気づいたかのように言う。
「そうだよ。希望の光なら、生きるという希望が生まれるんだよ。
だから彼も死にたい、という気持ちがなくなっていくんだ」
少女は、やられた、という気持ちをあらわにしていた。
「ねぇ、君。僕と一緒に平和な世界を作らないかい?」
「だめよ!それに応えちゃ!」
俺は、まだあいつらと一緒にいたい。
だから―
「俺は・・・この世界を守る!」
「よく言ってくれたよ。じゃぁ、終わらせようか。絶望を」
コウタは、さっきまでの狂気の笑顔じゃない。
慈愛に満ちた笑顔だ。
・・・それもそれで怖いけど。
その瞬間、世界に希望が戻った。
さっきまでのはなんだったんだ、というほどあっけなく。
気づけば、少女は消えていた。
そして、この世界が崩れ始める。
そこで、コウタは、
「一旦お別れだ。僕はまだやることがある。
君は先に、元の世界に戻って」
「あぁ」
俺はこの時点で分かっていた。
コウタは死ぬつもりなんだと。
だけど、俺は何も言わない。
それがあいつの意志で決めたことなら何もいうことはない。
「なんでだ?」
「こんな素晴らしい希望が見れたんだ。僕はもう次の世界に行く」
「・・・わかった」
「また来世で会おう、偽りの少年」
そう言ったのと同時に、世界が暗転する。
どうも、無理やり終わらせてしまいました。
次回で最終回です。感想よろしくお願いします。




