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偽りの少年と一本の電話

 ―なんだ、この世界は汚れている。腐っている。こんな世界、耐えて生きる必要なんてなかった。蔑まれてもなお、頑張って生きる必要なんてなかった。わたしにとって不必要な存在のものを、いちいち1匹ずつ消す必要なんてなかった。だから全てを消しさればいい。この結論に、なぜこうも時間がかかったのだろう、笑える。過去の自分が情けない。でも反省はあとにしよう。まずは全てを終わらす。全てを消し去る。でも―――


最後にあの唄を聴きたかったなぁ―――――

                    ********

 人は誰しも一度は嘘をついたことがあるだろう。俺もそうだ。何度もついている。嘘、というものは大変便利だ。自分にとって都合のいいようにできるのだから。俺は周りから信頼されている。友達もたくさんいる。俺のことを好きな奴もいる。教師たちも俺のことを厚く信頼していて、俺が言えばどんなことだってできる。でも俺はこの全てを嘘で手に入れてきた。要するに表面上だけでしか生活していない。でも正直、表面上だけで過ごしている学校生活もそこまで嫌いではない。楽しく談笑するのは楽しいし、面白い。でも家に帰ったら一気に冷める。何をしてもつまらない、どんなことをしても楽しくない。学校で話していた面白い話も、今となってはつまらない。何が面白かったのかわからない。

「つまらねぇ」

そう、口にした時にテレビで、あるニュースを耳にした。

――数千年前に起きた「終日」について新しい情報が入りました――

                    「終日」

今の世の中、知らない人間はいないだろう。数千年前に起きた大災害。人類の約3分の1、生物の約30分の1が消滅した事件だ。現在もまだどのようにして起きたのか、被害にあった人たちの死体はどこにあるのか、なぜそんなことが起きたのか、など千年経っても解明されていない謎が多い。その時に、

「おにいちゃーん、電話ー」

と下の階から妹が呼びかけてきた。なんだろう、と思いつつ階段を下り、電話に出る。

「もしもし緋戸影ですけど」

「もしもしー、こちら容姿端麗、成績優秀、完璧超人、八方美人、四方八方なコウタくんでーっす」

「四方八方関係なくね!?」

初対面なのにいきなりつっこんでしまった。いや、むしろそれでよかったのかな。

「あの・・・誰ですか?」

「だから、こちら顔面崩壊、腹筋崩壊、完璧廃人、八方塞がりなコウタくんですけど?」

「さっきと全然違うのは気のせいかな?」

「気のせいです」

「ならいいや」

なんだか面倒くさくなってきた。さっさと済まそう。

「で、何の用ですか?」

「あぁ、本題のこと忘れてた」

「忘れるなよ、本題」

「あれ?本当になんだっけ?」

「知るか」

「問題です。僕が言おうとしていた本題は何でしょうか?」

「知るか」

「知るかっ!!」

「知るか」

「ハハハ、面白いね君」

「こっちは楽しくない」

「えー、つれないなー」

「用がないなら切るぞ」

「ないよ!!」

ガチャッと電話を切る。ふぅ、ようやく終わった。さて、どうしよう。

プルルルルとまた電話が鳴りだした。正直うるさいので仕方なく出てやることにした

「冗談通じないなー、君」

「こっちも暇じゃないんでね」

「そうそう、また忘れるところだった。本題」

「さっき本気で忘れてたの?」

「うん!!」

力いっぱい返事されてしまった。なんなんだよ、コイツ

「本題に入ろう、緋戸影君、君は近々に女王に会うだろう。その時の君の態度でこちらのとる行動が変わる。くれぐれも用心していたまえ」

「何のことだ?女王?」

「しばらくしたら分かることだ。でも・・・」

「でも?」

そこでそいつはひと呼吸おき、告げてきた。

「できれば僕は君を止める展開にはしたくない。そうなると女王が目覚めてしまうからね」

それはさっきまでのそいつと違い、低く、重い言葉だった。

「どいうことだ、はっきりしろ」

「今はそこまで干渉できないんでね。今回はこのくらいで切るよ」

「まて、お前は一体・・・!」

「さようなら、また会おう。偽りの少年」

「おいっ!」

電話は無機質な音しか立てていなかった。

女王?何のことだ?30分くらい考え込んでいたが何も浮かばない。

ただのいたずら電話か?でも妙にやつの言葉には強い意志みたいなものがあった。

今考え込んでも何も解決しないため、俺はパーカーを羽織り、外に出ることにした。

この日、俺の運命は動き始めていた――――――――――――――

初投稿です。まだまだ至らない点があると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします

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