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6話 狂気と“心殺”…

レミリア達の為、フランは優翔に戦いを挑んだ…


優翔はフランの挑戦を受けて立つ…


そして“心殺”は…


狂気を打ち崩す…



・・・






「お前がレミリア達の記憶を取り戻してみろ…」


「くらえ!!」

「禁忌[クランベリートラップ]!」


フランがそう唱えた瞬間、周囲から呪文式らしき物が大量に現れた。


そしてその呪文式は大玉弾幕を撃ち出して周りを囲い、呪文式から大量の弾幕を囲い込んだ大玉弾幕の方へと撃ち出した。


だが…


「甘いな…」


この技の盲点を言うなら一つ…



それは呪文式の空間から抜けてしまえば、弾幕の攻撃を受けない事…



一見、上も下も呪文式で塞がれてしまっているように見えるが…


その呪文式が展開される前に抜けてしまえば弾幕の攻撃をくらう事は無い…


呪文式は固定型…

つまりはその場所から少ししか動けない…

弾幕も追尾タイプでは無いから簡単だ…


現に今俺がこれを考えて居る時点で網のように張り巡らされた呪文式の空間から抜けて居る…


そして俺はフランに一気に目の前まで近付いた。


「なっ⁉いつの間に⁉」


フランは俺が一瞬で目の前に近付いた事に驚く。


俺は黙ってフランの顔面へ拳を繰り出した。


ベギィ!!!


そんな鈍い音がフランの顔から聴こえた。


俺は続けてフランの胸ぐらを掴み、引き寄せながら左拳でフランの顔面を殴った。


バギィ!!!


また鈍い音がフランの顔から聴こえた。


しかも今度は鼻血を出している…


別に気にはならない…

それはこいつの背中におかしな羽があるからだ…


人間じゃないなら なお手加減要らずだ…


子供だろうとしっかりとした力を持っている筈だしな…


「どうした?かかって来い…」


「くっ…!」

「禁忌[フォーオブアカインド]!」


フランはまた唱えた。


今度は4人に分身し、バラバラに別れて一斉に俺に攻撃をして来た。


「増えた所で同じだ…」


俺はそう言った直後、無意識に何かを唱えた…


「心殺[殺戮血祭]…」


俺はまず先に近付いて来たフランの頭を右手で掴み、次に近付いて来たフランを左手で掴んだら…


両者の顔と顔を思いっ切りぶつけた。


ゴチャッ!!!


グロテスクな音と共に両者の顔面が潰れ、見るに堪えない姿となった。


直後、別のフラン2体が後ろから近付いて来た。


俺は後方回し蹴りで1体を怯ませ、もう1体は体の回転の勢いをそのまま活かして裏拳を頬の辺りにくらわせた。


ベキャッ!!!


何かが壊れる音を手の甲に感じた…


そして裏拳をくらったフランは、頬を真っ赤な血に染めて壁に全身から減り込んで居た。


よく見ると、壁に減り込んだフランの下顎が砕けていた…


そして…


「どうやら、残ったお前が本物のようだな…」


見るとフランが腹を押さえながら悔しそうにこちらを睨んでいた。


ふと気付くと、周りの分身の姿が消えていた。


まぁ、偽物とは言え、あいつを殺した気分がするのは確かだ。


そして俺はフランを追い詰めるようにこう言った…


「そんなんじゃレミリア達は助けられないぞ…」


「うるさい!よくもお姉様を!!!」

「禁忌[レーヴァテイン]!!」


フランは怒りを露にしながら真っ赤なエネルギーを手に集束させ、恐ろしく長い炎のような燃える剣が形成された。


するとフランは形成と同時に俺に向かって走り、跳躍した後、炎の剣を思い切り振り下ろした。


「攻撃自体に時間を掛け過ぎたな…」


俺はそう言葉を言い放った。

そして炎の剣を真横にかわし、フランに近付き、腹部に拳を打ち込んだ。


ズゴォォォッ!!!


拳がフランの腹にクリーンヒットし、フランの手から炎の剣が消えた。


フランは眼を見開いたまま空中で静止した。


そこへ俺はフランの頭を両手で掴み、引き寄せながら膝蹴りを顔面へ…


グチャッ!!!


非常にグロテスクな音が鳴り響き、その瞬間に俺はフランの頭を離した。


するとフランは浮こうとせずにそのまま仰向けで地面に落下した。


顔を見ると、フランの鼻が見事に潰れている…


鼻は真っ赤な血に染まっていた。


すると、フランはゆっくり起き上がり、手の平を俺に向けた…


「まだ起き上がれるとはな…」


「……壊して殺る…!!!」


なるほど、把握した…


「ならその能力…“忘れろ”…」


俺はフランの記憶から能力を抜き取った。


するとフランは手を握り締めた…


だが、フランは…


「⁉な…何…? 何これ!!?」


フランは必死そうに手を何度も握り締めた。

だが、何も無い…


「イヤ…⁉ 何で⁉何で壊れないの!!??」


「簡単だ…お前の頭の中から能力を抜き取ったんだからな…使えないのは当たり前だ…」


そう言った直後、フランは膝から崩れてしまった…


勝ち目が無いとでも思ったのだろうか…?


「…うぅ…お姉様、ゴメンね…私勝てないよ…」


「絶望する姿は嫌なんでな…」

「ゴメン…ここまでするつもりは無かったんだ……ゴメン…」


俺は“心殺”を解除し、フランに頭を下げた。


頭を上げて見ると、状況が把握出来てないような顔をしたフランが居た。


「えっ?」


「本当…ゴメン…傷大丈夫…?」


「えっ……うわぁ~ん!!! 痛~いぃ!!!」


「レミリア達、戻すね…」

「全知全忘、返還…」


これは無意識に言ったのだが、この言葉を呟いたらレミリアお嬢様と咲夜さんが目をパチクリさせながら立ち上がり、何があったのかわからない顔をしながらこちらを見た。


「あれ…私、一体何を…咲夜、覚えてる?」


「す…すみません…私も、全く…」


「あら? 貴方は?」


「あぁ…鳴神 優翔です…」


そこで俺はフランにヒソヒソとこう言った。


「フラン…お願いだから何も聞かず喋らず、俺が訊いたら頷くだけしてくれ…」


「えっ…? う、うん…」


「ところであなた…何でそんなに傷だらけなの? 大丈夫?」


「あぁ…これは、僕 運送屋なんですけど、小包みを届けに来たら突然あなた達が僕に襲い掛かって来て…そうだよな? フラン…」


「えっ? あぁ! うん!」


「フランが見てたのなら…本当ね…」

「そうかぁ…何か、ゴメンなさい…全く記憶に無いけど、悪い事しちゃったみたいだし、今日は傷の手当ても含めて紅魔館(ここ)に泊まっていきなさい」


「あ、ありがとうございます…」

「ありがとうな…フラン」


「う、うん…」








続く








「あら? フラン⁈ 何でそんなに傷だらけなの⁉ 鼻まで潰れているじゃない!」


「えぇ…⁉ いや…これは…」






・・・・・






続く

見事、狂気を打ち崩した優翔…


レミリア達も元に戻し、一件落着…



しかし、優翔は再び“記憶”に苦しめられる事になる…

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