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5話 時を、運命を、忘れろ…

戦いを強いられる優翔…


ピンチに追い込まれる優翔は…


“心殺”を発動するのか…

・・・






何だよ…またかよ…


「さあ…」

「行くわよ…」


そう言うと、レミリアお嬢様は紅い弾幕を俺に撃って来た。


勘弁してくれよマジで!!!


俺は飛んで来る弾幕をよく見てかわす。


だが、やはり普通の人間の俺がこんな攻撃を避けられる筈も無く、呆気無く被弾。


「うわああぁぁぁ!!!」


弾幕の熱の所為か、被弾した脇腹部分が熱い…!


これは火傷も負ったな…

折角のお気に入りの服の一部が焦げて無くなるとか…最悪にも程がある…


そんな事を考えて居たら真横から鋭い刃物が飛んで来て、俺の頬を掠めた。


何だよ今の⁉


俺は刃物が飛んで来た方向を見ると、そこには咲夜さんがナイフを何本か持って構えた状態で俺を睨んで居た。


「私も参戦致します。」


超絶不利じゃん俺…


どうすればいいの…?


そう思って居たら…


「獄符[千本の針の山]!」


お嬢様がそう唱えると、突然紅いナイフを凄え大量に投げてきた。


「奇術[エターナルミーク]!」


直後咲夜さんも唱え、大量のナイフを高速で投げてきた。


この人達…俺を殺す気?

このままじゃ俺…人間針の山になっちまう…


…くそ!

痛いとか言ってられないな…

今はとにかく、怪我をしてでも生き残る事…


俺は全速力で疾走して、迫り来る無数のナイフ地獄をかわした。


だけど…


バシュッ ザクッ!


何本かのナイフは俺の体を掠め、二本のナイフが腕、股に突き刺さった。


「ああぁぁぁぁぁ!!!」


それでも痛い!

ナイフが体に刺さる事自体俺は無かったから…


でも、二本だけで助かった…

あれが10本以上刺さってたら、俺は…


体に刺さったナイフの痛みに耐えながら俺はゆっくり立ち上がる。


「いッ……痛ぇぇ…!!!」


でも痛いものは痛い…


こんなのが痛く無い奴が居たらそれこそバケモノだよ…


「どうしたの?それでも異変を起こした犯人なのかしら?」


と、俺が倒れそうなところへそう言葉を掛けるお嬢様。


だから異変なんて起こして無いって!


第一、俺が何時そんな異変を起こしたって言うんだよ!


「うるせぇ…つか、何で2対1なんだよ…」

「そして異変なんて知らねぇ!」


「はぁ…がっかりね…」

「もういいわ…消えなさい…」

「神槍[スピア・ザ・グングニル]!」


……うるせぇ…

うるせぇ……


すると、俺の頭の中にフラッシュバックの如く記憶が流れた。


また…あの時の!


俺は体の痛みを気にせず腕と股に刺さったナイフを引き抜いた。


心の痛みが体の痛みを超えた瞬間だった…


俺は持っていたお札を取り出し、書いてあった名前を唱えた。


「忘力[忘却傷心撃]…!」


するとお札は消え、俺は両手合わせ力を溜めた。


紫色のエネルギーは次第に大きくなった。


その時、お嬢様がエネルギーを手に収束させ、俺に目掛けて紅色の槍を投げた。


それと同時に俺の溜めも完了。


そして…


「これが俺の…」

「心の痛みだああああああああ!!!」


バァァァーーーン!!!


放たれたエネルギー波はお嬢様の投げた紅槍を消し飛ばし、そのまま一直線。


「なっ⁉何⁉」


「お嬢様!」

「時よ止まれ!」


咲夜さんがそう言うと、お嬢様が既に居なくなっていた。


エネルギー波は洋館の屋根を突き破り、天まで届いた。


気がついたら体の痛みが復活。

再び腕や股を押さえた状態に戻した。


そして何故か部屋の隅に居たお嬢様と咲夜さんに俺はこう言った。


「もういいだろ…これが俺の実力だから…」


そして俺が帰ろうとした時…



扉が消えた…



「…何だよこれ……」


「あなたは帰れない…」

「あなたは私と戦う運命…」


「私が空間に細工しました。」


はっ…?

ふざけんな…


何が運命だ…


そんな物…そんな物…!!!



お前達から消してやる…!!!



俺はもう一枚のお札を取り出し、唱えた。


これで……


時を…


運命を…


全てを…



忘れろ…



「忘却[全知全忘]…」


俺がそう唱えた瞬間、消えた筈の扉が現れ…


お嬢様や咲夜さんは…



記憶の全てを無くした…



見ていてとても哀れだ…


自分が誰かわからずに彷徨っている…


ここが何処かもわからずに…


このような状態になった事に後悔して居ない…


と、そこへ誰かが部屋に入って来た。


ガチャ


「ねぇお姉様!咲夜!一緒に……」


金髪の赤服少女


お姉様と言う事は、この娘はお嬢様の妹か…


「君は?」


「…フランドール・スカーレット」

「お姉様達に何をしたの……」


どうやら俺がやった事に怒りを感じてたようだな…


「お姉様を返して!!!」


そう怒号を上げるとフランは俺に向かって飛び、殴りかかった。


だけど俺はかわした。


……なるほど…


既に俺は“心殺”を出して居たのか…


どうりで感情が何も出ないわけだ…


おまけに体の傷が痛く感じない…


「許さない…許さない!!!」


「なら来い…」

「お前がレミリア達の記憶を取り戻してみろ…」








続く

フランドールの怒りと悲しみ…


そして優翔の"心傷"…



"狂気"と“心殺”が今、ぶつかり合う…

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