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2話 忘却異変


忘れられた少年が起こした異変…


それは人々の記憶を消し去ってしまう異変…


それが…



‘‘忘却異変”

・・・






此処は…何処だ…?



気がついたら俺は…


高い山の上に居た…


服も何時の間にか和服になっている。

完璧な和服では無い。

洋と和が混ざったような服だ。


不思議な事に違和感無し…

この服に慣れていたのか?


後ろを向くと、時代劇でよく見かける古屋があった。


あの紫とか言う人が言っていた俺の家か…


だけど、真面目に考えれば、あの日から1日しか経っていない筈…


・・・


まさかな…


「気分はどう?」


ふと気づくと、後ろに紫さんが居た。


「あぁ…まあまあですね。」


「そう?なら良かった。」


「あの、あれって俺の家ですか?」


「そうよ。」


「そうですか…やっぱり、俺は…」


「…気を落とさないで。大丈夫、その内この幻想郷にも慣れるわよ。」


「はい。」


「じゃあね、また来るわ。」


そう言うと、紫さんは空間を裂いて、中に入って姿を消した。


「不思議だな…驚かないなんて…」


普通なら驚いて当たり前の光景を目の当たりにしても、驚かない…


俺の中の何かが変わったのか?


だけど…やっぱり…


「忘れたい…頭から付いて離れない…」


あの時の出来事が頭に強く刻まれた。


さっさと忘れて、楽になりたい…



‘‘せめて、忘れられる力があれば,,



そんな事を思った…






~紫 視点~






元気は無かったけど、大丈夫そうね、優翔。


・・・


何か変な気分。

少し人里に行こ…


私はスキマから上半身を出し、人里の様子を見た。


???


人里の様子がおかしい…

何かあったのかしら?


人里の様子を奇妙に思った私は、スキマを動かし、人里に降りた。


「一体何が…?」


すると、一人の人間が私に尋ねて来た。


「なあ、あんた…此処が何処か…知らねえか?」


「えっ?」


私は驚いた。


普段から人里(ここ)で暮らしている筈の人間が、ここを知らない?


おかしい…どう考えてもおかしい。


「ねぇ、そこのお人。此処が何処か、教えてくれないかい?」


一人、また一人と、どんどん私に聞いてくる。


これは…まさか…






異変?






私はすぐにその場から離れ、スキマに入って博麗神社まで移動した。


「霊夢!」


「?何よ?紫。そんなに慌ててどうしたの?」


「呑気にお茶をすすってる場合じゃないわよ!大変なの!」


「大変って、何が?」


「人里の人間の記憶が、全部無くなったのよ!」


「…何よ⁉それ⁉」


「百聞は一見に如かず、ついて来て!」


「わかった!」


私は霊夢を連れて人里まで移動した。


そして…


「な、何よ…これ…」


「みんな、自分が誰か、わからないの…」


霊夢は人里の人間が彷徨っている光景を目の当たりにし、しばらく動かなかった。


「どうする、霊夢…」


「…決まってるじゃない…」

「異変は、解決しなきゃ。」


霊夢は静かにそう言った。


今回のこの異変…


今までの異変なんか比べものにならない程、厄介になりそうね…


「よぅ…霊夢、紫。また異変なのか?」


突然、後ろから現れたのは白黒の魔法使い…



‘‘霧雨 魔理沙,,



「やっぱり、お前等もわかっていたか…」


「えぇ…だけど、何故私達には何にも起こらないのかしら?」


「恐らく、力の無い人間だけにしか効果が無いのかもしれないな。」


「だとしても、犯人は誰なの?」


「…一人…検討が、つくわ。」






~優翔 視点~






今俺は山を下りて、人を捜している途中…


と言っても、こんな山奥じゃあ、人っこ一人居ないだろうけど…


でも、だんだんと人の声が聞こえて来てる。


人の住む地が近づいてる証拠だな。


よし、とっとと下ろう。


俺は急ぎ足で山を下った。


すると…


サワサワ…


草の音…誰か居るのか?


「お~い!誰か居るなら返事してくれ!」


そう叫ぶも、返ってくるのは草の音。


いや…考えてみれば此処は山奥…

人は居ない…


とすると…


「バゥ!!」


「マジかよ!!」


突然、猛獣が現れて、俺に襲い掛かって来た。


俺は抜けそうになった腰を抑えて全速力で走り出した。


必死に、必死になって俺は猛獣から逃げた。

猛獣も俺を食らおうと思いっ切り疾走して来る。


食うか食われるか と言うのを聞くが、これは

逃げられるか逃げられないか…だろう。


いつもならとっくに尽きている筈のスタミナが、今起きている状況の所為なのか、まだまだ余裕に走れる。


全く、幸運なのか不運なのかわからねぇな…


どこまで走って逃げられるか…

俺の運を試す!


「ついて来い!バケモノ!」


俺は後ろの猛獣に方向を向きながら挑発するように言った。


「バウ!!!」


猛獣はこの行動に対し、吠え、更に走る速度を上げる。


さて、ここからどこまで持つかな…


俺は有り余るスタミナ全てを全開にし、あの有名な陸上選手並みのスピードを出して走り、猛獣を突き放す。


猛獣もそれに合わせて更に走るスピードを上げて来た。



その追いかけっこが1分程続いた。



…そろそろ…スタミナも切れそうだ…


マジでこのバケモノ、どんだけ体力あるんだ⁉


「バウ!!!」


くそ…まだ吠える余裕があるか!

何か方法は…


すると、俺の視線の先に大きな岩があった。

岩…?


これだ!!!


「バケモノ!どうした!まだ追いつけないのか?このノロマ!!」


俺はバケモノを精一杯挑発した。


「グルルルルルル…バウ!!!」


バケモノはまるで人の言葉が理解できるかの如く唸り、吠えた。


そうだ、それでいい…

このまま惹き付けて…


そして俺は足でブレーキを掛け、走るのをやめる。


バケモノは跳び、口を開け、俺に向かって来た。


「掛かったなマヌケ!」


俺はその瞬間その場から横っ飛びで離れ、バケモノはそのまま…


ズガッ!


顔面から岩に激突した。


へへへ、ざまぁねぇな。


俺は手で汚れを払い、その場から離れた。


ふと気づくと、何時の間にか、目の前に広がる景色は草原。空には雲一つ無い蒼天。

草原の先には森や村が見下ろせる。


「うわぁ~…」


あまりに壮大な景色に開いた口が塞がらない…


だが、そんな事もつかの間…


「グルルルルルル…!!」


…マジかよ…ついてねぇ…


あの時に倒したんじゃ無いのか?


全く、呆れる生命力だぜ…


「もう、方法が無い…」


バケモノは俺に向かってゆっくり歩き、牙を口から見せる。


「バウ!!!」


バケモノは跳び上がり、口を開けて俺に突っ込んで来た。


くそ、もう此処までか…


すると…


ベシッ!


「キャン!!!」


突然バケモノの体に白黒の球が直撃する。


「キャヒーーン…」


バケモノは今の一撃で森の中へと帰って行った。


「…はぁ…助かった~…」


俺は白黒の球が飛んで来た方向を見る。

そこには…


「大丈夫?」


紅白の服、髪にはリボンをした少女。


「な、なんとか…」


「紫!この人?」


「えぇ。」


えっ?紫?何でまた…


「本当にこいつなのか?紫。」


「間違い無いわ。」


「えっ?ちょ、何の話をしているの?」


「・・・」


紫さんは黙り込むだけ…

その眼は非常に冷たい…


「何で睨む?」


「あなた…」

「今回の異変の犯人でしょ…?」


異変?どう言う事?意味がわからない…


「異変?何だよそれ?意味わかんねぇよ!」


「おいおい、自分から起こしておいて、白を切るのかよ。」


今度は白黒の服を着ていて、箒に乗っている少女。


「白?何の事かさっぱりだからだよ!」


「紫、ああ言っているけど、本当なの?」


「えぇ…」


「だそうだ、だから…」

「覚悟してもらうぜ。」


…はあ?覚悟するって…何を?


すると白黒の少女は何か物を取り出し、唱えた。


「恋符[マスタースパーク]!」


するとその 物 から極太レーザーが俺に向かって放たれた。


何だよ…何だよ…俺は何も……






俺は何もして…いない!!!






俺は眼を閉じ、ゆっくり開けた…

心を‘‘殺す,,ように…


すると…


「…殺符[撃滅崩壊弾]…」


俺は無意識的にそう言うと、両方の手にエネルギーを溜める。


そして、ある程度エネルギーを溜めたら…


「は…ッ!!!」


手を前に突き出すと、両手から超巨大な気弾が極太レーザーに向かって飛んで行く。


超巨大な気弾は極太レーザーを物ともせず、あっという間にレーザーを消し飛ばした。


「なっ⁉何だと⁉」


白黒の少女はすぐ超巨大気弾をギリギリで避けた。


「あぶねえ!紫!あいつにあんな力があるなんて聞いて無いぞ!」


「魔理沙のマスタースパークが破られたなんて…紫、どうなの?」


「…く…私もあれは…想定外よ…」


紫さんの想定外?それは多分、この俺の力の事だろう…


あの時バケモノから逃げてた時だってそうだ。危機から出る力じゃない…


元々全部、俺の力だったんだ…


だけど…今はそんな事関係無い…


今はただ……



目の前の敵を倒すだけ…






続く

次回は紹介


キャラクター紹介



ではまた次回

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