1話 忘れられた少年
忘人記も復活です!
では早速…
忘れ去られた少年の…幻想郷での物語を始めよう…
俺は…
俺の名は…
鳴神 優翔…
俺は……
・・・
優翔「ん~…眠い…」
改めまして、
俺は鳴神 優翔。
何処にでも居る普通の中学3年生だ。
歳は15歳。
今日も眠い朝から始まった。
優翔「ふぁ~…寝たい…」
いや、本気で寝たい…
恐らく3時間しか寝てない…
理由はネトゲだ。
どうしても倒したいボスが居たから諦めきれず…
でもちゃんと倒した。
強かった~…
で この結果だ…
非常に眠い…
今日が休みならば寝れんのに…
そうもいかないのは良く知っている。
優翔「しゃあない…」
俺は嫌々ベッドから降りた。
優翔「はぁぁ~…」
俺は時計を見た。
指していた時間は…
8時だ…
優翔「マジか…」
俺は急いで着替えて部屋を出て、家から跳び出した。
えっと、省略しまして…
今は家…
優翔「進路だとよ… そんな事言っても、俺の成績じゃあなぁ…」
どうにもならない…
俺は無駄な事を考えるより、行動を起こすのが先なタイプ。
実際、考えてても始まらない。
遊び行こう、遊び。
で、今は外出中…
友達はそれなりに居るが、みんな塾で勉強していて、塾に行ってない奴もあまり遊ばない。
何だよ…俺だけ自由モード?
何かの不公平を感じた俺は家に帰る事にした。
優翔「帰ろ帰ろ…」
そんな時だった…
俺の視界が歪んだ。
何故か周りは形を変え、昔の時代劇に出て来そうな光景になった。
形を変えた世界を見た俺は…
気絶した。
・・・
優翔「………ここは…」
俺は目を覚ました。
光景は変わらぬまま…
どうやら幻覚じゃないようだ。
じゃあ、一体ここは何処なんだ?
?「ここは幻想郷。」
優翔「…うぅわあああ!!!」
後ろから声がしたから振り向くと、そこには日傘をさした女性が居た。
いきなり現れたから驚いた。
とても不思議な女性だ。
まるで全てを知っているかのよう…
優翔「だ、だ…誰⁉」
?「私は八雲 紫。」
「幻想郷へようこそ。」
優翔「げ…幻想郷⁉何だよそれ⁉此処は…」
紫「○○○市、○○の○丁目。かしら?」
優翔「何で…俺ん家の住所を…」
紫「全て知っているわ。あなたの事も…」
優翔「此処は何処なんだ⁉教えてくれ!」
紫「此処は幻想郷。
幻想の者達が住まう世界。」
優翔「じゃあ何で俺は此処に居るんだ!」
紫「・・・」
突如女性は暗い顔で黙り込んだ。
何か隠しているのか?
優翔「教えてくれ!一体何で⁉」
すると女性は口を開き、こう言った。
紫「あなたは…」
「忘れられたのよ…」
優翔「わ…忘れられた…だと?」
紫「・・・」
優翔「じょ、冗談言うなよ!みんなが俺を忘れるわけ…」
紫「私もそう思いたかった!…残念だけど、あなたは…」
「存在を忘れられたのよ…」
何を言っているかサッパリわからない。
忘れる?そんな事あるもんか!
大体どうやったら俺の存在がみんなの記憶から抜けるんだよ⁉
紫「あなたが外に出かけた後の事よ…」
「あなたの両親は突然あなたの名前を忘れたわ。父親の方が名前を言ったけど、母親が忘れていて、ついには父親も忘れた。」
優翔「そう言えば、この頃物忘れが酷かったのは…」
紫「友達は恐らく存在の欠片さえ憶えてない筈よ。
名前を挙げても誰も知らなかった。」
忘れられた…か…
何で忘れんだよ…
何で忘れんだよ⁉
優翔「なあ…」
紫「何?」
優翔「俺ってそんなに、印象に残らないか?」
紫「えっ?」
優翔「俺ってそんなに、存在薄いか?」
紫「それは…」
優翔「俺ってそんなに!」
「要らない存在なのかよぉぉおおおーーー!!!」
「何で⁉何で!!何で忘れるんだ!!!友達ならともかく、俺の親まで何で⁉」
「何で忘れちまったんだぁぁぁああーー!!!」
「今までの生活は何だったんだよ!!!」
「今までの思い出は何だったんだよ!!!」
「今までの説教は何だったんだよ!!!!」
「全部忘れちまったのか!!!???なあ!教えてくれよ!!!!!」
「俺は一体何の為に産まれて来たんだ!!!」
「俺は一体何の為に生きて来たんだ!!!」
「忘れられる為かよ!!!!ふざけんなぁ!!!!!」
「何がお前の為にだ!!!!!
何がお前の将来の為にだ!!!!!
全部忘れちまったら意味ねぇだろうが!!!!!!」
その時、空から雨がポツポツと降り、そして大雨になって降ってきた。
優翔「…うぅぅああああぁぁぁあああぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」
「俺…存在する意味…無くしちまった……」
「死にたい…今すぐ死にたい!」
「殺してくれ!!!今の俺には何にも残っていない!!!頼む!!殺してくれ!!!」
紫「それはできない…」
優翔「何でだよ!!!俺に生き地獄をあじわえと!!??俺は今すぐこの世から消えたい!!!頼む殺してくれ!!!」
紫「あなた死んじゃダメなの!!!」
「あなたは今日からこの幻想郷の住人として生きていく。心配しないで、生活に足る心配は要らないから、私が何とかするから…」
優翔「くそっ…俺は…俺は一体!!!」
その日を境に、俺は心を殺せるようになった…
何の感情も抱かない。
喜びや…
怒りや…
哀しみや…
楽しみも…
感情の全てを殺せるようになった…
此処からが俺の…
忘れられし者としての…
物語…
続く
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