見たいもの見たくないもの
かなり前に書いたものですが、
データが出て来たので、
手直しして投稿していきます。
なんだかすっきりしないまま私は、佑太の後ろをぷかぷかとつけていた。
もう少し佑太のこと知るのもいいかも…。
お互いのこと理解できる友達になれるかも知れない…。
私は知らず知らずに佑太に興味を持ち始めていた。
しかし…。
私は苦々しく呟いた。
なんで二ノ宮がここにいるわけ?
そう佑太の横に二ノ宮が張りつくように、並んでいる。
もしかして、佑太って恐ろしく女の趣味が悪かったりするのかしら?
二ノ宮って男の前だと性格変わるとか?
ものすごく納得のいかない私は、2人の会話を頭の上からこっそり盗み聞きすることに決めた。
うるさいなぁー、二ノ宮。
話しているのはもっぱら二ノ宮だった。
「ねぉ、佑太くんいいでしょ?今度の日曜日映画見に行きましょうよ」
「悪いけど、用事あるから…」
「迷惑なの?私ずっと佑太くんのこと好きだったのよ」
げっ、二ノ宮って佑太のこと好きだったんだ?
驚きながらも二ノ宮にしちゃいい男選んだな、なんて思って…あぁ、そうじゃなくて…。
佑太は黙ったままでいる。二ノ宮はまだ言葉を紡ぐ。
少しヒステリック気味に…。
「こんなに好きなのに、ずっとずっと好きだったのに…何とか言いなさいよっ!私が好きだって言ってるのよっ」
おいおい、そんなんじゃ男は逃げるって…。
「…ごめん」
ほら、見なよ。
佑太は表情ひとつ変えずに冷静なままだ。
モテるから告白くらいなんとも思わないのかな?
私はそう思い、佑太の女の趣味が悪いわけではないらしいことに、ほっとした。
えっ?なんで私がほっとするの?
私が自分の思考に没頭しそうになった瞬間に二ノ宮が叫んだ。
「はっきりあの女が好きだって言えばいいじゃないっ。あんなの女のどこがいいのよ」
佑太は二ノ宮をキッと一睨みし、
「君が誰のこと言っているのかわからないけれど、例えオレに誰か好きな人がいたとしても君には全く関係のないことだ」
すべてを拒絶する佑太の言い方に、二ノ宮は泣きそうな顔で走り去っていった。
やれやれ。
私まで疲れてしまった。
佑太はため息をついて、歩き始めた。
佑太の好きな人って興味あるかも…。
モテる佑太の心掴んだ人にお目にかかりたいわ、なんて私は思った。
あれ?けど二ノ宮は知ってる口ぶりだったっけど?
佑太に着いて行けば、なんかわかるかも~と軽い気持ちで尾行を続けた。
佑太の家は普通のアパートで、家には誰もいない。
私と同じで誰もいない部屋に帰るんだね。
佑太は冷蔵庫から牛乳を取り出し、飲みながら着替え始めた。
私は思わず、佑太の着替えに凝視してしまった。
うわぁ~スタイル抜群!!
ある意味ストーカーのような自分に気づいていない私…。
はっ、何をやってるんだ。
突然我に返った私は、視線を逸らすために部屋を見まわした。
すごくシンプルで何もない部屋、淋しすぎる部屋…。
私の部屋よりキレイかも…。
いつのまにか着替え終わっている佑太は、制服よりもカッコ良く見えた。
佑太はそのまま部屋を出ていく。
もちろん私は後をつけるのを止めたりはしなかった。
佑太がこれからどこに行くのか、気になって仕方なかったから…。
なんでこんなに気になるのかしら?
まだ理由もわからない私は、ただ佑太の後ろをついて飛んだ。
どこに行くんだろう?
私はどこにも寄る気配のない佑太の尾行を続けていた。
そろそろつまらなくなってきた私を知ってか知らずか(って知るわけないんだけど)、佑太は突然街中で寄り道をした。
えっ?なんで?佑太がこんなところに…?
そう、こんなところってのは、なんと花屋さんよ。
ってことは、花買ってるってことは、つまり…女と会うってこと?
ちょっと、嫌かも…。
って、なんで嫌なんだろう?
だって、佑太の好きな人に興味があってついてきたはずよね?
今まで恋愛をしたことのない私には、それがどんな感情なのかすら理解できなかった。
でもすごく嫌で、確認したくなくて、私は本能で逃げる理由を探した。
そうだ、ここって病院の近くよね?
本体の様子見てこなくっちゃ!
幽体の私がいるんだから、まだ死んじゃいないんだろうけどさ。
ほら、ずいぶんほったらかしだし?
って、誰も聞いてる人なんかいないのに、誰に言い訳してるの?なんてことにすら、頭が回らないほど、理由付けして佑太から離れる口実を探していた。
毎日更新予定です。
よろしくお願いします。




