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深海蒼子は幽体になっても問題ない!?  作者: トーヤ


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2/5

見えるもの見えないもの

かなり前に書いたものですが、

データが出て来たので、

手直しして投稿していきます。

つまんないわ。


幽体のままでもいいなんて、呟いてから2週間も経たないうちに私は、飽きてしまった。


あちこちフラフラするのは3日で飽き、交差点で行き交う人を観察するのも4日で飽き、観光名所を見て回るのも、早々に飽きていた。


つまんないついでに、もっとつまんない場所へと私は足を向けてしまった。


そう、学校へと…。


少しだけ懐かしい気がしたが、そんなのは気づかない振りでクラスメートの顔を眺めていた。


誰?


私は自分の名前を呼ばれ、見えているのかと焦り、振り向いたがどうも違うらしい。

窓際で話題にのぼっただけらしい。


どうせ悪口かなんかでしょ?


と、思いながら輪の中に加わった。


蒼子(そうこ)さん大丈夫かなぁ」


心配げに恭子(きょうこ)が言う。

恭子は小学校から一緒で、誰もが私を敬遠する中気にせず話し掛けてくる唯一の人物だった。


「まだ意識不明の重体なんでしょ?お気の毒にって感じよね、深海(ふかみ)さん。結構ドジだったのね、バイクにぶつかっちゃうなんて」


私コイツ大っキライっっ!!!!


人の不幸も笑っちゃうような言い方しかできないヤツで、私のほうが成績が上だからって子供みたいなイヤガラセしてくる人間の小さいヤツ。


「成績のことだけじゃないんだよ」って恭子は言っていた事があるけど、私にはなんのことかわからないままだった。

恭子もくすくす笑うばかりで教えようとはしなかったから…。


どんな理由があるにしろ、私はこの二ノ宮(にのみや)って女が嫌いだ。


「それは、言いすぎじゃない?二ノ宮さんが蒼子さんの立場だったら、間違いなくあなたも意識不明の重体だったと思うけど?」


私が二ノ宮が嫌いとか思ってる間に、小さい頃ビービー泣いてばかりいた恭子が私のためなんかに言い返している。


ほっとけばいいのに…。


なんて思いながらも、


『いいぞ、もっと言ってやれ』


なんて他人事のようにチャチャを入れていた。


もちろん誰にも聞こえてはいないのだけれど…。


二ノ宮はムッとして、ブヅブツ言い訳しながら退散していった。


「でもよぉ、もう2週間以上経つだろ?普段話したことなくても気になるよな…」

「あいつって美人だけど、おっかねぇーよな…こう雰囲気があるっていうか…」

「俺なんかあいつが笑ってるの見たことないゼ?」

「オレも…」

「あ、私も…」


『ちょっと、それじゃあ私が冷血人間みたいじゃないのっ!』


目の前にいるクラスメートの頭をバンバン叩きながら、思った。


しかたないか…そういう付き合い方しかしてこなかったんだから…。


これからも変わらないんだろうけど…。


私がそう思っているのに、恭子が、


「なんで?蒼子さんすごい笑い上戸だよ?」

「「「「 「どこが?」」」」」


そこにいたほぼ全員が声を揃えて言った。


私って…どんな人なのよ…。


かなりグサっと来た。

私の隣の1人が、


「百歩譲って、あの歪んだ唇の端を持ち上げるのを笑顔だとしよう。しかし決して絶対に笑い上戸ではないと思うっ」


みんながうんうんと頷く。


誰も信じるはずがない…。


恭子はそれにも違うよと言う。


「みんなが蒼子さんのこと知らないだけだよ。それに怖くなんかないよ、すごく優しい人だよ?」


『私のどこが優しいんだよ』


ほら、みんなだって納得いかないって顔してるじゃないの。


「小さい頃、私が虐められてたら必ず助けに来てくれたし」


『あれは、恭子がビービー泣いてうるさいから…』


「子犬が捨てられてたことがあって、その時だって“連れてってあげたいけど、うちのアパートうるさいから、ただでさえ1人暮しで嫌な顔されてるんだ、ゴメンね。連れていってあげられなくて”ってタオルかけてあげたり」


あった…そんなこと。

誰かに見られてるなんて思いもしなかった…。

ほっとけなかった…私と同じく独りぼっちだったから…。

強がってても独りは淋しかったから…。


「みんなは、高校に入ってからの蒼子さんしか知らないから、仕方ないと思うけど、蒼子さんとこ親が離婚してるんだ」


私は思わず叫んでいた。

聞こえないのなんて忘れてた。


『ちょっと!!ヤメなさいよっ!あんたにそんなこと言う権利なんかないのよ』

『もうヤメて』


そんな私の声は誰にも届かず、恭子はさらに続けた…。


「辛いことたくさんあったみたい。その頃から誰ともあんまり口を聞かなくなった…」


『分かったような口聞いてんじゃないよ、両親がいて、友達がいるあんた達に何がわかるって言うのさ。私の気持ちなんか分かってたまるか!!』


そんな私の叫びに重なるように佑太の声が、


「そっか、家も離婚家庭だからあいつの辛さや寂しさはオレは感じ取ってやれる。だけどあいつが今のままじゃオレ達がいくら歩み寄ったとしても、強がったまま余計に意地を張り続けるんじゃないかな…」


私はその言葉に何も言えなかった。

その通りだと思ったから…。


佑太(ゆうた)は見た目から受ける印象とは反対にすごく誠実な男であった。

それは誰にも興味をもたない私でさえ、知っているほど目立つ人物であり人気のあるやつだった。


何にでも一生懸命で、成績だって私より必ず上にいた。

もちろんガリ勉タイプではなく、スポーツもこなすし、いたずらもするし騒ぎもする。


当然のように女子だけでなく男子にも人気度が高かった。


だから私も佑太に一目置いていたが、こんなヤツは世間知らずの良いとこのボンボンだと思っていた。


それなのに、


佑太も離婚家庭だったなんて…。


自分の勝手なイメージで人を判断していたことに、少なからずショックを受けた。


反則だわ…。


何が反則なのかわからないままの私だった…。

毎日更新予定です。

よろしくお願いします。

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