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初対面の美少女が告白してきた  作者: 粗茶の品
15/26

15:その占い結果について


 今日は担任が早く来てくれたおかげでいつもよりだいぶ早く終わったな。

 荷物を持って廊下に出る。廊下には人がまだほとんどいない。

 他のクラスはまだ終わってないのか。いつも遅い俺たちのクラスが早くて、いつも早いとこが遅いと連絡のし忘れとかありそうでちょっと怖いな。

 終わったのは三組と四組、六組か。他のクラスには入っていく人、出てくる人がいないからたぶんそう。

 一組はまだか。

 どうしよう。いつもの場所で待っとくべきか?夢花もいつも教室の前じゃなくて昇降口の辺りだもんな。理由はわからないけど。

 目立たないためだとしても、もう一緒に帰ってることなんてバレバレで手遅れだし、そんな人目を気にするような行動取ってこなかったしな。

 まぁ、いいか。一緒に帰ってることもバレてる、ご飯食べてることも。ほぼほぼ一緒にいるせいで、今更教室前で待ってたってもはや関係ない気がするし、一組行こ。

 一組の前で待っている人達の中に自分も混ざる。

 あ、ちょうどもう終わるっぽいな。

 教室の中から挨拶をする声が聞こえてくる。その後すぐに教室は騒がしくなった。

 続々と人が中から出てくる。少し待つと夢花が教室から出てきた。


「待っててくれたの?」


「そうだけど・・・・・・」


 なんで驚いてるんだ?俺の方が早かったからか?待つのは別に変じゃないだろ。


「ごめん。待たせて」


「謝る必要なんてないよ。どうしようもないことだったし、いつも待ってもらってるからな」


「ありがと」


 お礼言われることでもないんだけどな。

 ほんと、今ここで恥ずかしそうにしてるのもよくわかんないし、捉えどころがないな。

 何も言わないまま一斉に並んで歩き出す。


「待って」


 声をかけると同時に左肩に手を乗せられた。手を辿ると陽波さんの姿がそこにはある。


「何?」


「・・・・・・文化祭の準備しなくてもいいの?」


 わざわざそんなことを言いにきたのか?同じクラスでもないのに?ああ、夢花に言いにきたのか。


「だって、大丈夫なの?」


 夢花に問いかけると夢花は小さく頷いて肯定を表す。


「き、君は?」


 だから何故俺に聞く。俺たちの関係ってそんなものだったか?


「俺も今日はちょっと」


「な、何?何があるの?」


「それはプライベートに関わるから黙秘させてもらうよ」


 なんで俺だけ深堀ろうとしてくる?同じクラスの夢花には何も言わなかったのに。


「で、でも待ってたみたいだけど」


 それは予定があるならさっさと帰りなよってこと?あなたには関係ないことなんだからほっとけばいいと思うんだけど。

 何か夢花がいないと困ることでもあるのか?それなら夢花に話聞くか。それにそもそも変なことでもなければ、直接用を伝えるよな。俺がいると伝えにくいのか?それなら教室出る前に話しときなよ。それに言ってくれれば一旦離れるし、夢花だってちょっとは時間とってくれるだろ。


「五分も十分も待ってないから。五分、十分じゃ何もできないでしょ」


 まぁ、今日の用事って夢花がいないと始まらないんだけどな。


「ご、ごめん。引き止めて」


「いいよ。それじゃあ」


 そのまま元の向きに直って歩き出す。

 ほんとなんだったんだ?意味不明すぎる。

 なんか知らないけど、呼び止めるために手を伸ばしたの俺だったよな、夢花じゃなくて。女子の方がそういうのもやりやすいだろうに。それに周りに人もそんなにいないから手を伸ばしにくかったていうのも不自然だしな。ほんと得体がしれないというか、きみが悪いというか。

 まぁ、いいか。すぐ引き下がったし、大したことでもなかったんだろう。


「ありがと」


「何が?」


 夢花がお礼を言ってきた。あまりにも急だったのと意味がわからなかったからちょっと反射的に返してしまった。


「なんでもない」


 夢花は笑って誤魔化す。

 理由は気になるけど、別にいちいち聞くようなことでもないか。

 少し歩いて校門を抜ける。部活があるのか準備があるのかいつものこの時間より生徒の数が少ない気がする。


「それで、どこ行くの?」


 夢花が無邪気な笑顔を向けながら問いかけてきた。

 それな、それなんだよな。

 あれから色々考えたけど、どれもピンとこなかったんだよな。


「ごめん。どっか一緒に行きたいなって思って誘ったけどさ、どこ行くかはあんまり決まってないんだ。どこか行きたい場所ってある?」


「拓斗と一緒ならどこでも」


 どこでもが一番困るなぁ。

 もうよくわかんないけど、とりあえずあそこでいいか。


「じゃあ、いつもと反対側だけど、あっちにいい喫茶店があるんだ。そこでちょっと話そう。・・・・・・お腹いっぱいか?」


「大丈夫。そんなに食べなければいいし」


「それもそうだな。じゃあ行こう。こっち」



 喫茶店に入って席へと着く。

 ここの喫茶店は窓の反対側にソファ席が並んでおり、その他にテーブル席がいくつか置かれている。

 俺たちは空いていたのがソファ席しかなかったのでそこに座った。


「とりあえず、何か頼むか?」


「うん」


 心なしか夢花は多少ウキウキしているような気がする。

 ここの喫茶店は雰囲気もいいしな。もしかしたら、こういうところ来るの久しぶりなのかもしれないな。

 さて、何か頼むと言ってもそんなに食べるような気分でもないんだよな。とりあえず、俺は飲み物だけでいいかな。


「あっれー。いつかの少年じゃん」


 聞き覚えるのある声がして顔を向けてみると見覚えのある顔がそこにはあった。

 いつかの道端で倒れてて、めっちゃ牛丼食べてた人だ。なんでここに?


「なになに?彼女とデートかーい?」


 女性は揶揄うように言ってくる。


「なんですか?」


「いや、他に席も空いてなくて、ちょっと相席いい?」


 と言いながらもう夢花の隣に座っている。

 マイペースな人だな。まだ何も言ってないのに。

 なんか夢花この人の顔見てびっくりしてるみたいだけど、知ってる人なのか?


「拓斗、この人と知り合いなの?」


「え、なになに?私のこと知ってるの?うれしーい」


 何その反応。何か名前出して活動してる方なの?


「ちょっと前に、うん、人助けをね」


「そうだねー。あの時は助かったよ。少年」


 いちいち入ってくるなこの人。賑やかな人だ。たぶん、日頃からこれなんだろうな。


「ゆ、宮咲さんこそ知ってるの?」


「そこは名前で呼んであげなよ、少年」


 やかましいな。そんなニヤニヤした顔で見てくるな。夢花も頼むからちょっと残念そうな顔しないでくれ。


「夢花、さんこそこの人知ってるの?」


 あ、ちょっと顔明るくなった。


「うん。この人占いで有名な人。結構当たるって」


「結構ってひどいな。調子いい時はほぼ百パーだよ」


 ほぼって言ってるし、調子が悪い時もあるから結構なんじゃないのか?

 そういえば、初めて会った時も占いが得意みたいなこと言ってたな。あれ、ほんとだったんだ。


「私、最近ここらへんでお店やってるんだよね。学生のお客さんもたまに来るけど、君は来たことないよね。じゃあ、シンプルに私の名前が広まり始めてるってことだ。やったー!」


 女性は大袈裟な感じもするように喜ぶ。

 あれ、もしかして。たまに学校で聞く占いの店の人ってこの人なのか?全然知らなかった。


「ていうことは少年も実は知ってた?」


「・・・・・・ごめんなさい。名前も知らないです」


「ひどいねー、夢花ちゃん」


 夢花に共感を求めるが夢花はそれには乗らなかった。ただじっと俺のことを見てくる。


「私は占葉叶子(せんようかなこ)。覚えといてね」


 せんようかなこ?ちょっと漢字がわからないな。


「占いに葉っぱの葉。叶うに子供の子だよ。あとたぶん学校で聞くのは私かな」


 また考え読まれてる!ちょっと回収遅れたけど学校のやつまで。一体どういう原理で心を読んでるんだ?


「占いが得意だからね!」


 まただよ!占いってすげぇ!あるとかまで行くと心読めるまでになるんだ。


「私はちょっと特別だよ」


 あ、そうなんだ。ていうことは誰でもってわけではないのかな?


「そういうこと」


 そういうことって。まぁ、なんにせよすごいことに変わりはないけど。

 あ、ちょっと待って!夢花の視線がさらにひどいことになってる。そうだよな。一人置いていかれてるもんな。混ぜて欲しいよな。


「ごめん、夢花さん。夢花さんは占いとか興味あるの?」


「・・・・・・昔はあんまり信じてなかった」


 昔はって今は違うのか。その今と昔の間に何があったんだろう。ちょっと気になるな。


「それにしても、君たちお揃いだね」


 急に何?お揃いって。それをいうならないだろうけど、お似合いじゃない?

 お揃いって言われたって何もしてないよ。制服は一緒かもしれないけどそんなの同じ高校の人全員だしな。


「そうだなぁ。一つ助言していこうかな」


 助言ってなんの。

 占葉はカバンから水晶玉を取り出すと机に置いて、水晶玉に手をかざした。


「少年は自分に嘘ついてるね。・・・・・・あと、来週からは直感を信じて行動した方がいいよ。じゃないとちょっと大変だ」


 占葉はそう言ってカバンに水晶玉をしまう。

 何を言ってるんだ?俺が自分に嘘ついてる?一体何を?直感を信じろって、何が大変なんだ?


「それじゃあ、私はお邪魔みたいだから帰るね。きっとまた会えるよ」


「あ、ちょっと」


 俺の静止の声に見向きもせず占葉はそのまま歩き去っていった。


「一体なんだったたんだ?」


「なんだったんだろう?」


 占葉は俺たちの今日に独特な形の爪痕を残していった。

 頼むからそれが何か説明してくれ。

 なんだ、ここからは別料金だから、店に来てくれってことなのか?


「とりあえず、何か頼もうか」


「うん」

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