FREEZING AT THE DISCOTIQUE
私はニーナに紹介されたギクラサにある婚活紹介所に、早速来ていた。
「はい、はい当方は全国ネットワークでいろいろな方をご紹介できますよ。ええと、女勇者経験がおありで」
「はい、そうです。やっと魔王を倒す活動を終えてきたら、この年齢になってしまっていて」
「ええっと、失礼ですけど……」
相談所のメガネのおばさんは、クイクイと私の顔を値踏みするように見てくる。
「もう少し、お見合いでは華やかなワンピースとか、ハイヒールとか履いたほうがいいですね」
「これ、アンブッシュ特性ついてて、魔王の城の一歩前の町にしか売ってない25000Gする服なんですけど……?」
「暗い服の色もだめだし、靴もぼろぼろの冒険者ブーツでは、ちょっと」
「私にダメ出しするよりも、先にどんな人を紹介してくれるのかが大事じゃないですか。少なくとも私、この世界に貢献してるんですよ」
相談所のおばさんはしぶしぶ、いくつかリストを見せてくれた。
そこには、ローレンよりかっこいい男はいなかった。
適度に知的で、適度にスマートで、時々優しい感じの典型的な恋愛向きの男なのはローレンだってわかってる。そういう華やかさが一ミリもない人ばかりが集まってる。
「あなたの今の条件では、こちらが精一杯かと…」
人を品定めするようなおばさんは、少し満足げに笑っていた。
何人か紹介されたけど、結局私の好きになれそうな人はどこにもいなかった。