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【論考③ 『冒険者』ってだーれ?】

 こんばんは、この論考を一人で書いているものです!


 論考①と②において冒険者ギルドというものが存在するのであればそれはどんな組織でどうやってお金をやりくりしているのかというお話をさせていただきました。今後冒険者ギルドはどうやって拡大するのか、そしてそこから生じる政治的問題をお話をしようと思って、いましたが! もっと根源的なお話が残っていることに気が付きました。


 そもそもの話冒険者ギルドを構成する『冒険者』ってなんでしょう。


 冒険者は未知の世界を踏破する人々のこととも言えますが、なろうの世界において冒険者は未知の探究者という側面以外にもモンスターを退治したり、あるいはもっと卑俗的な言ってしまえばチンピラのような描写もあります。


 ここで話をする『冒険者とはなにか』とは冒険者の理想や理念について語るわけではなく、彼ら『冒険者』を排出する社会の階層というものはなんなのかというお話になります。固そうですね! でも、安心してください、できるだけ軽く語れればいいなって思っています。


『冒険者ケース① 貴族や王族』


 よくあるお話の中に主人公が悲鳴を聞いて助けたらかわいい女の子で実は王女様でした……という話は書籍化作品にもありますよね。なんで王族や貴族などの高貴な身分の人が軽装で護衛も微妙でこんなところにいるのだろうというツッコミを聞いたことは私もあります。


 さて、ここから言えるのは冒険者ギルドの構成員の中には社会の上流階層も混ざっているということです。当然人口比から言って少数なのは当然ですが、論考①、②を見ていただければわかる通り、冒険者ギルドというものが成立して拡大していく過程で政治権力とはかなり密接に交渉する必要があることを示しています。


 王族や貴族が『冒険者』となるということは少なくとも社会の中で『冒険者』の社会的地位は高いということが考えられます。もちろん夢見がちな少年少女が英雄の冒険譚に心を躍らせてそのような世界に入るということも考えられますが、そもそもの話王族や貴族は一族という強大な社会基盤があるのでもし『冒険者ギルド』の社会的地位が低ければ一族の恥として絶縁されるかあるいは連れ戻されるかすると思われます。


 絶縁といえば昔からの人気ジャンルに『追放もの』がありますよね? 君はクビだから始まる物語は結構あります。あるいはスキルだとかがもらえなくて無能だから王族や貴族から追放された主人公が「よーし。じゃ、冒険者になるか」とすぐに冒険者になろうとする話とか……。


 追放されたから『冒険者にでもなるか』という話がまかり通る世界が多いのであれば繰り返しになりますが社会的地位として『冒険者』は上流階級からも敬意を払われる存在である必要があります。


 ヨーロッパの中世社会は小麦社会でした。小麦は収穫した後に製粉という作業がいります、米は脱穀が必要ですよね。どちらにせよ重労働です。いきなり何を言ってんだという話ですが、小麦だろうと米だろうと人間が食べるためには下準備が必要になります。


 小麦の製粉には『粉ひき』の仕事をしている人がいました。水車やらを所有したり使用して農民が持ってくる小麦を製粉するわけですね。んで、この職業は蔑視されていました。いろいろと理由はありますが理由はあまり重要ではありません。ここで重要なのは社会的に絶対に必要で人間の食という生存の本質にかかわることを職業する人たちでも差別を受けることがあるということです。


 そのため追放された人が「よーし、社会に必要だし粉ひきになるか!」とはならんわけです。単純に考えて「じゃあ~になるか」の「~」は特別な理由がない限り他人から理解を得られる程度の職業でなければならないわけです。


 追放された主人公が「じゃあ冒険者にでもなるか」となるのですから冒険者とはすばらしいものという社会通念がないとおかしいわけですね。しかし、それを逆手に取ればなんらかの理由によって冒険者にならざるを得なかった元王族の少年主人公がそこで素晴らしい出会いをして過去の家族たちと確執が……なんで変化球な話も作れたりもしますね。


 さて、長くなりましたが王族やらがなんで冒険者になんねんという話。追放された主人公がそれになるのは別として普通にヒロインとかがそれをするのはなんでやねんということになります。あるいは冒険者養成の学校とかもなろう世界にはありますし、そこにやっぱり王族がいたりしますね。


 理由としては修業目的の可能性もあります。中世のヨーロッパばかり引き合いに出しますが、ヨーロッパの騎士階級などは修業として騎士の徒弟として様々な仕事をしました。あるいは古代ローマだったと思いますが、自分の家から出て親戚の家で暮らし修業をしたりと公的な教育機関が整ってない時代なので一人前になるためのプロセスとして東西南北あらゆる社会には子供を一人前にする仕組みがあります。その中であらゆる経験を積める冒険者は貴族や王族の格好の修行場として認識されるのかもしれません。


 ああ? 王族や貴族なんだから家で家庭教師でも雇って勉強すればいいだろという話を思う貴方。そもそも王族や貴族が素晴らしい教育を受けるということは昔ではあったりなかったりします。ユーラシア大陸の東西要するにヨーロッパや中華と呼称されるエリアにおいて様々な一族が勃興しましたが、文字の読めない皇帝(農民の成り上がりではなく貴族出身者)、文字を書くことを蔑視する貴族などは歴史上存在します。


 我々の乗っかっている教育というものは長い時間をかけて練磨されたもののため文字の読み書きや計算が誰でもできるという話は庶民だけの奇跡ではなく上流階級の奇跡でもあるのですね。


 その中で冒険者学校なるものがあり、文字の読み書きも多分教えてくれるというなら相当な高水準の教育機関と言えるでしょう。というか庶民すら教育するという民間の機関があるということ自体が不思議で魔法すら教えてくれるならなんだそれはとなりそうですね。


 余談ですが歴史上で識字率が上がった要因の一つには『宗教』が存在します。要するに聖書や仏典などを読んだり書き写したりすることで庶民を含めて文字の読み書きをしたわけですね。実際に我が国の戦国時代の武将たちの子供のころの師匠はお坊さんだったりします。


 本当かどうかはわかりませんが徳川家康の学問の師匠は太原雪斎というお坊さん(お坊さんとするにはアグレッシブすぎる人物ですが) になります。要するに教育というのはかなり特殊な話になります。


 まあ、修行の一環で冒険者に王族や貴族をならせるという話があったとして、血なまぐさいこともあるはずですから。かなりスパルタ教育と言えるでしょう。余談ではあるが(司馬遼太郎のように) 古代都市国家のスパルタの子供への教育というのは非人道的というよりも笑ってしまうくらいに過酷なものでした。


 かなりメタ的な話をしますが、冒険者に王族や貴族を出すというストーリー構成をするのであればなんでそんなことをする必要性がその子たちにあるのかというバッグボーンがなければ不自然になります。流石に貴族がお金を稼ぐために冒険者になるとは考えにくい……というのを逆手にとってお金のために冒険者になった美少女が伝説の宝石を手に入れるということで主人公と……。などと書いたら面白いのではないかと考えるのが創作者の辛いところですが。


 あらゆるお話は常識を下地にする方が物語の厚みが増す傾向があると思います。あーあ。まーたわけのわかんない話に飛んでいるよと思わないでください。これは関係のある話です。上に描いた「貴族の美少女がお金を手に入れるために宝石を~」という話におかしみを感じてもらえるのなら『貴族は裕福である』という常識を逆手に取って『何らかの理由によりヒロインがお金が必要という物語の厚み』が生まれるわけです。


 常識を取っ払ったと仮定して貴族だろうと何だろうとお金のために宝石が欲しい! ということにしてしまうとあるいはそんな人物像はあり得るかもしれませんが読者の一般的な感性。要するに貴族とは裕福であるという認識から「なんでこんなことするんだ?」という疑問のみが生まれてしまうわけです。


 いやいや貴族が必ずしも裕福なわけないだろ、あらゆる時代に困窮している貴族もいるだろという話は常識的ではありません。一般的に「貴族」という言葉から「連想されるイメージ」は「裕福である」という想像の連続性を「常識」と私は表現しています。


 例えば鎌倉時代~戦国時代までの貴族の没落と政治能力の著しい低下により困窮し生き残ることが大変になった時代もありますが、そういう調べたらやっとわかる話ではなく、一般的読者(私も含めて) が付帯事項をつけずに想像するイメージに沿った話を基準にして「でもだからこうこうこういう理由でこの子はこうなんだよ」という話描くとああ裕福なはずの貴族でも大変なんだと理解を得られるかもしれません。


 これは批判ではありませんが上に出した「追放もの」についても追放するという話が先に来るのであるいは読者の常識からかけ離れた話を書かざるをえなくなり、主人公に敵対する人物が必要以上に悪辣だったり一般的にはおかしい行動をすることがあるという批判もあります。読者の「常識」から考えられない行動をとってしまい、間に挟まるべき行動の理由が弱いわけですね。


 少し創作論に話がそれましたが、冒険者を排出する社会階層に上流層がいるということは上のような理由があるいは考えられると思っているわけです。ですが、彼らはあくまで少数です。人口比でもそうですが、前の論考でも書きましたがギルドがやっていくにはあらゆる仕事をこなす必要があるわけですから頭数がいります。数が多いといえば一般庶民ですね。


 しかし、少し長くなりましたので次回ということで!



よかったらご自分のお考えを書いてみてね!

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