【論考① 冒険者ギルドからつながる世界】 2回目
さて、続けていきましょう! くだらないお話に付き合ってくださる方に感謝を。
③ 冒険者へのランク付け(これはS~Fみたいなアルファベットから、または~級のように独自のランクを設定している作品もありますね)
このランク付けというものはよくありますよね。ギルドに来た主人公がランク付けされるのもありますし、すでに冒険者登録をしていた主人公ならおれは~ランクみたいな話もあります。おじさんものと言っていいのでしょうか? ロートル(これでも少し失礼かな) の冒険者を主人公にした作品でも低ランクで不遇とかありますよね。
そもそもなんでランク付けをするのでしょうか。ギルドに所属する冒険者は統一された組織というよりフリーターの集まりみたいなことが多いですね(偏見) 彼らは指揮系統なんてありませんし、それぞれ好き勝手にパーティを組んでいるのでランクという階級には組織の指揮系統が問題ではなさそうです。
じゃあなんでランク付けするのかというとこれは想像ですが二つ考えられます。
一つはギルドへの貢献度を表す指標。長年多くのクエストをこなしているとすればそれだけギルドには多大な功績を積んでいるということでしょうし、仕事を頼むうえでも信頼できます。卑近なたとえで申し訳ありませんが、ウーバーイーツでも配達員の方の信頼度ありますよね。
ギルドの職員から見ればランク付けでもしてないとその人の信頼度はわかりませんし、別の町に来たらその人のことが良くわからないので統一された評価制度があれば仕事がしやすいですよね。
もう一つは実力としての指標でしょうか? 貢献度と少し違うのは特殊な技能を持っていたり、強力な武力を保持しているものであったりして難しいクエストを頼めるということが分かるようにしておくとギルド側から見ても便利です。
ギルドは互助組織ですが仕事を受けている以上は失敗は基本的にNGのはずです。そこを自己責任とか言ってたらギルドは資金繰りが悪化して終わりでしょう。もらった仕事に対してのそれぞれの冒険者を力に合わせて振り分けて、最終的な仕事の完成度まで考えるということはやってないといろいろとまずい問題を発生させます。信用問題とかね。
ランクというのはそれだけで勲章のようでかつ指標になりますが、冒険者側からみたら名誉のようなものにもなりますよね。~ランクだからすげーみたいな感じです。
ギルドというものから考えると冒険者は死んでもらっても困るわけです。冒険者の互助組織であると同時に貴族や商人などからの依頼の受注をするための人員が減ることは好ましくはないと思われます。繰り返しになりますが仕事を失敗してもらっても困るわけで、このあたりからストーリーを生み出せそうな気がしますね。
結構いろんな小説では主人公がすごいということでぱっぱっとランクが上がっていくことはあると思いますが、そもそもこの「ランクが上がる」ということ自体を目標あるいは手段にしたらどうだろうということが考えられます。
目標は例えば「Sランクになるぞ!」(海賊王に俺はなる!みたいな) でもわかりやすいですが、上に描いた通りにランクにより受けられるクエストを制限されているということにすれば『Aランクに上がるためには』みたいに主人公がクエストを行う動機がお金以外にもできますし、そもそもAランクなどのランクを上げて「~がしたい」という行動目標を設定すればクエストのエピソード自体が本筋から外れません。
例えばランクによって入ることのできるダンジョンを設定してみたりするのがわかりやすそうですね。このあたりはいくらでも工夫できそうです。
④ 酒場とか併設されている場合飲食店の経営(外注だったりするのでしょうか?)
酒場とかが併設されているギルドとかありますよね。「この素晴らしい世界に祝福を!」などの作品には出てきますが、この酒場はギルド経営なのでしょうか?
ということは報酬を受け取ったそばから巻き上げるシステムをギルドはとっているのか、社員食堂的に安く提供してるのかによって話が変わってきそうですね。
ギルドの職員さんたちは冒険者ではないと思われますが、酒場とか食堂が併設されていたらそこで働ている人たちは近所の人たちなんでしょうか? そうするとその人の家族や街での暮らしももちろんその世界には存在するはずです。
そして毎日の食材をどこからか仕入れて居るわけですが、酒造業を営む人が街にいたり、それぞれのギルドで地酒をふるまっているのかもしれません。そうすると町の人たちと主人公の絡みも描くことができそうですね。
というか、ギルドという組織はおそらくかなりの仕事量がありかついろんなところから仕事の依頼を受ける過程でその業務は多岐にわたるため、それぞれの町の就職口として機能しているかもしれません。
中世の各地方というのはおそらく司法の整備が進んでいないと同時に行政の整備も進んでいません。市役所とか区役所みたいな存在がないということで行政の手続きができないとなると、冒険者ギルトは地域の人たちがいっぱい働いている場所になるわけですから(中央から派遣ばっかりなんてさすがに難しいでしょうし。中枢だけ中央から来てあとは現地採用とかしないと回りませんよね) 普通に考えたら集会所的な存在になってしまうこともあると思います。
これ街の規模によってギルドの性質は変わりそうですね。
交易都市のようなエニウェア族(どこでも商売するよって人たち) な商人たちのいる町では逆に地域と密接に絡み合ってない感じで、王都や地方都市なんかは地域住民と絡み合ってそうな感じがしますね。
ギルドが街にあるということは社会的に存在意義があってそこにあるわけですから、何らかのクエストを受ける場所というだけではなくなんでそこにあるのかを考えると深みがありますし、街のそれぞれの住民との関わりも増やすことができそうな気がします。
あとギルド職員さんたちもどこかで寝たり食事しているわけですから、やっぱりそれがある街での人の関わりあいからみあいというのは必ずあると思います。
⑤ 冒険者のお悩み相談
これ、一番難しいのかどうかですが冒険者というのはいわばフリーターなわけですよね(暴言)。彼らにも生活があるわけではありますが、基本的に根無し草なわけで宿屋に泊まっているということだと思います。
ファンタジーでは綺麗な宿屋に泊まることが多いと思いますが、そもそも綺麗な宿屋なんかじゃなくて寝るスペースだけある空間を有料で貸し出してくれるだけの場所とかに寝泊まりしていることが結構あるんじゃないかと思います。だって、家がないのに毎日ちゃんとした宿屋に泊まってたらすぐ金欠だと思いますね。
それと同じように服も無駄に買えないので洗濯をしたり、武器防具の手入れをしたり、クエストで受けた傷の手当てをしたり、病気になったらその治療をしたり。金欠になったり……冒険者という職業は普通に考えると過酷としか言いようがありません。毎日の食事もありつけるかわからないわけですから。
そこでギルドさんの出番というわけですね。
宿の斡旋。医師の手配。薬の販売、生活用品の販売、洗濯の実施、お金を貸してくれたりもするかもしれません(低金利で) 上に書いた食事処もあるかもしれませんね。ギルドという組織が冒険者の支援であるからには冒険者から「求められること」が多くあるはずです。
求められることが多ければ多いほど、それを受ければ受けるほどに仕事は拡大していきます。そこまで手が回るかどうかは別として命を落とした冒険者の葬儀や供養などもするかもしれません。つまりギルド職員というのはめちゃくちゃ多忙でかつ膨大な仕事を抱えているわけですね。
ギルド職員って何をしているの? って論考を描こうと思うのであまり深くは書きませんが、クエストを受けて素材を購入するだけ、という職業にはならないはずです。これワンオペで全部やれちゃうすーぱーガール(なろうですから美少女ギルド職員なワーカーホリックを想定しちゃいましょう!) なのか、分業をしてそれぞれの職員が仕事を分担しているのかもしれません。
冒険者からの相談を受けるために街に多くの人脈あるいは医師を給与アリで抱え込むなんてことをしないといけないかもしれません。こんなことをを繰り返していくとギルドは様々な社会的要求をかなえていくことになるでしょう。
あれに似てませんか?
そう。コンビニです!
トイレから銀行から生活用品から水道・ガス・電気代。郵便局の代わりみたいなこともしちゃっているナイスなあの子に似ていますね。冒険者ギルドの存在をまじめに考えると複雑かつ楽しい話がいっぱいかけると思います。
書類の山に埋もれたギルド職員とか、楽そうと思われがちなので逆にきついんだぞって愚痴をこぼしたりとか……もしくは本当にクエストを受注する程度しか仕事をしてないギルドを改革するお話とかも書けそうですね。
ここまで書いてきましたが「冒険者ギルド」という存在がそこにあるためにはいろいろな条件が必要になります。一番重要なのは人間のかかわりですね。様々な階層の全く別の仕事をしている人々の中心にギルドがいて我々の物語のハブになってくれていると考えれば想像の世界はひろがるのではないでしょうか?
ここに描いていることは全部もっていっちゃてOKです。許可はいりません(いらないと思うけど)
※普段こんなの書いてますよ
魔王やってましたけど勇者に負けて転生しました ~FFランク冒険者候補からの成り上がってやる~
https://ncode.syosetu.com/n7548gi/ #narou #narouN7548GI