ラモスジンフィズの話
この話は、岐阜にあったバー「二番館」のマスターから聴いたものだ。
カクテルには色んなエピソードがあり、その一つにラモスジンフィズの神話がある。
ジンフィズのプロトタイプと言われるカクテルだ。
19世紀に開発されたレシピで、十二分間のハードシェイクが必要と言われている。
当時のバーでは「ジンフィズ」という注文が入ると、バーテンダーがピキッとなったという。
そして、横一列に並ぶ。
最初の一人がシェイクをはじめると力尽きてばたりと倒れる。
そのシェイカーを二人目が受け取ってシェイクをつづける。
二人目が力尽きて三人目、三人目が力尽きて四人目、と次々に犠牲者の山を築きながら、ようやくカクテルが完成するのだ。
もちろん、マスターが客を楽しませるために多少のフカシを入れているとは思う。
しかしなんともまあ大変なカクテルだ。
後日、その話をあるバーでしたところ「そんなんミキサー使ったらすぐ出来ますやん」と言われてがっくり来た。
……そうじゃない、そうじゃないんだ!
※ラモスジンフィズのレシピ
・ドライジン 45ml
・レモン果汁 1/2箇
・ライム果汁 1/2箇
・生クリーム 20ml
・オレンジフラワーウォーター 3dash
・卵白1個分
シェイク。
タンブラーに氷、シュガースノウ適量、ソーダで割る
※今の一般的なジンフィズのレシピ
・ドライジン45ml
・レモンジュース20ml
・砂糖2tsps.
シェイク。
タンブラーに氷、ソーダで割る
(参考:バーテンダーズ・ポケット・バイブル)