第22話 怒りとその先
R15に変更しました。
理由はH系になりますので、苦手な方はご注意ください。
どれくらい時間が経ったのだろうか。
長い様でもあり一瞬の様でもある。
心地良い“融合”感から離れ、意識が自我に戻った。
傍らには、素肌を晒して意識を失っているアイリスがいる。
彼女が目を覚ますことはもう無い。
疲弊しきっていたのは分かった。
俺を大切に思ってくれたのも分かった。
最後の力で”融合”し、俺を覚醒させてくれたのも分かった。
そして、それ以上にこの国を憂いていることも…。
・・・。
けれど、残された者はどうなる!
俺には荷が重すぎる!
俺は人と争うのが嫌いだ。
自分のために人を不幸にするなんてまっぴらだ。
本来自分には無い気性の荒さがふつふつと湧いてくる。
そう、これは“怒り”だ!
アイリスに対する怒りだ!
自分勝手過ぎる。
「 起きろ! この馬鹿女郎! 」
気がつくと、俺は大声で怒鳴っていた。
「 自分の尻は自分で拭け! 」
さらに、今まで口にしたこともない悪罵を吐いた。
それでも怒りは治まらない。
「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょう!」
俺は、アイリスの肩を掴み激しく揺さぶる。
・・・反応は無い。・・・反応は無いのだ。
「俺を一人にするな!」
大粒の涙が彼女の美しい顔を濡らす。
が、その瞳が開くことはもう無い・・・。
「 まだだ! 」
俺が服部さんと同じ“迷い人”ならできるはずだ。
この“怒り”と“渇望”が俺の能力をさらに覚醒させる。
「こんな力! 要るか!」
俺の怒号と伴に落雷がアイリスを貫く。
黒焦げになるアイリス。
だがもう知った事では無い。
知るもんか!
この国も、アイリスも、ハテナ村も知らん。
どうにでもなれ。
~~~~~~
俺は、自暴自棄になり、呆然とアイリスの亡骸を眺めている。
ピク
「気のせいか」
“ピク、ピク…”
“パリパリ”
亡骸にひび割れが走る
「風もないのに…」
“ザラザラザラ~”
亡骸の表面が崩れ、中から美しい素肌が現れる。
「・・・・(呆然)」
墨まみれだが、中から美しい女性がゆっくりと起き上がる。
「アイリス?・・・」
俺は、かすれた声で呟き、彼女を見詰めた。
キョトンとしているその女性は、俺を見つけると満面の笑みを浮かべた。
「シン!」
俺の名を叫ぶと勢い良く抱きついた。
正にダイブだ言うに相応しい勢いで。
余りの勢いに押し倒され身動きできない。
「シン、シン、シン、シン! 私、生きてる! 生きてるよ!」
そう言うと、その勢いのまま口吻が降ってきた。
“むぐむぐむぐ”
情熱的な熱い口吻なのだろう、無理から舌を入れられる。
は、裸の女性に押し倒されて口吻されている。
羞恥心が感動をぶち壊し、俺の情緒はむちゃくちゃだ。
生き返った感動の場面をすっ飛ばして、全身で愛情が降り注がれる。
けれど、嫌ではない。
俺は彼女の背に腕を回して、きつく抱きしめ返した。
いつの間にか怒りは感動になり、そして羞恥心から安心となった。
「お帰り」
その言葉にアイリスは、明らかに興奮し気色立った。
俺の服を引き裂き胸を揉みしだく。
快感と言う名の電流が流れ、逃げようにも逃げられない。
あれ?
初対面だよね俺たち。
いや、お互いの事は理解し合ったと思うが、初対面のはずだ。
「ちょっ、ちょっと、ちょっと待って」
「待てないし、待たない」
この女は、また勝手に暴走している。
全然懲りていない。
人の気持ち・・・いや、嫌ではないけど、むしろこんな美人ならウェルカムだけど、
強引なのが気に入らない。
「これ以上続けると嫌いになるよ!」
すると、”はっ!”となったアイリスは手を止めて、やっと我に返った。
「すまない。あまりに夢心地で我を忘れていた」
しょうがない、許してやるか。
俺は、アイリスに服をかけ、「これから忙しくなるよ」と笑いかけた。
すると、アイリスは”くすっ”と笑い、「男女逆」と言いながらその服を俺にかけ直した。
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ウエストリアの改革がはじまる。
私自身はH系が苦手なのですが、ストーリーの関係で今後増える予定です。
また、ご要望が多ければさらに増やしていきたいと思います。




