19/23
第19話 セントラル
~セントラル~
「マサト! 帰ったか!」
愛する夫の帰還を待ちわびていた女王の声が響いた。
だが、マサトの表情はどこか寂し気だ。
「首尾は・・・駄目だったようね。でも気にするな、我々セントラルの優位は変わらない」
マサトは、大きく首を横に振った。
「どうしたの? マサト?」
未だに口を開こうとしないマサトを女王は気づかう。
そして、やっとマサトがゆっくりと口を開いた。
「ウエストリアに、”迷い人”がいた」
「 ! 」
「俺と同郷の若者だ。・・・・、どうやら”主人公”交代の時らしい」
マサトの言葉に、わなわなと震え出す女王。
それは、かつて推測していた未来予想図の一つ。
「・・・10年は越えられないのね」
震え声で言った女王の瞳から大粒に涙が零れた。
「俺は、残された時間とこの力の全てを貴女に捧げたい」
そう言うと、マサトは咽び泣く女王をしっかりとその手に抱きした。




