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道化師に憧れた僕が自分の病を治す方法  作者: 百良
第二幕『舞台のキセキ』
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いざ、遊園地へ

羽音(ねお)、もう身体は大丈夫?」

 学校へ登校しているときに心奏(しおん)がふと羽音に尋ねる。

「おう、元気元気。疲れてたんだろうな」

 そう言って笑う羽音に心奏も同じように微笑んだが、響彩(とあ)だけは羽音に冷たい視線を向けた。

 その視線に気づいた羽音が「なんだよ」と言うと、響彩は嫌な顔をした後、ボソッと心奏に聞こえないように羽音の耳元で呟いた。

「寝てたからって前よりも順位落としたら、今回はみっちり勉強会しましょうね」

 響彩がそう言って不気味な笑みを浮かべると、羽音は顔を引きつらせた。

 その二人の様子に訳の分からない心奏はぽかんとしていた。

「何を言ったの?」

 心奏の問いに響彩は「何でもないわ」と答えると、羽音に向かって笑いかけた。

 まるで何も言うなというように。

「……そっか。じゃあ、話変えてもいい?」

「あぁ、どうしたんだ?」

 心奏の言葉に羽音が問いかけると、心奏が目をキラキラと輝かせた。

「今度の土曜センセイが帰って来るんだ。それで次の日曜に、遊園地に遊びに行く計画を立ててるんだけど。二人も一緒に行かない?」

「遊園地か。いいじゃん、行こうぜ」

 羽音は笑って答え、その様子に響彩も頷いた。

「じゃあ、日曜日に僕の家に集合!」

 心奏がニコニコと拳を突き上げ、大きな声で言うと、羽音と響彩も困ったように微笑んで頷いた。


 日曜日の早朝、三人は心奏の家の前でセンセイもとい修治(しゅうじ)を待っていた。

「おい。センセイはまだかよ。何時間待たせんだ…」

「まだ私達が来て五分も経ってないじゃない。それに、センセイはアンタみたいに暇じゃないんだから」

 羽音の言葉に、響彩は不満そうな表情で羽音を睨みつけた。

「あっ?なんだと⁉」

――ガチャッ――

 その瞬間、修治が扉を開けて家から出てきた。

「朝から元気な事だな。もう少し静かに待てないのか」

 修治は家の鍵を閉めると、鍵をウエストポーチの中に片付け三人の方に向き直った。

「おはよう、センセイ」

「あぁ」

 心奏の言葉に修治はニコッと笑って返事をすると、玄関前の階段を下り三人の側に寄った。

「なぁ、センセイ。今日はどうやって遊園地に行くんだ?」

 羽音が腕を組み眉をひそめ、修治に尋ねた。

「車だ。そのために今日は俺の事務所から乗って来てたんだ」

 修治が心奏の家の前に停めてある車に手をかけた。

「それ、センセイの車だったのね。常識が無い人が停めてたんだと思ってた」

 響彩の言葉にコクコクと修治は頷く。

「今日は目一杯遊ぶんだろ?各自早く乗れ」

 三人はワクワクしながら修治の車に乗り込んだ。

 その一方で修治は運転席に乗り込みエンジンをかけた。


 走り出した車内では、心奏が遊園地の地図をスマホで表示し、皆に見せていた。

「このアトラクション、面白そうじゃない?」

 心奏が興奮気味に指差すと、羽音と響彩も興味津々の表情を浮かべた。

「オレはやっぱりジェットコースターに乗りてぇな」

「私は強いて言えば観覧車かな」

 心奏に続いて羽音と響彩も乗りたい候補を挙げていく。

「全部乗ろう!時間はいっぱいあるし」

 心奏が楽しそうに目を輝かせる。

「心奏も羽音も響彩も最近は忙しそうだったからな。好きに回ると良い。だが、まだ病み上がりの奴もいるんだ。無理はしないように」

 修治がチラッと車内を見ると口を開いた。

 その言葉に羽音と響彩は頷いた。

 だが、心奏だけは「センセイもだよ?」とキョトンとした顔で言った。

 その声に修治はフッと少し微笑むと「あぁ。分かった」と答えたのだった。

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