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帝国の乱




帝国の辺ぴな国境の砦では、朝の見張りが交代しようとしてた。

いつも変わりない風景だ。


「ロバート、ちゃんと見張ってたか?」


「何を見張るんだ。いつも変わらないから本を1冊読んだぜ」


「やっぱりサボリか・・・」


「あれはなんだ!」


1人の兵が、声を荒げた。

全員が見た先には、無数の兵が砦に向かって突進していた。


1人の兵が、鐘を連打して異常事態を必死に知らせた。


「敵兵は、ロベル軍だ!」


「何故だ!10年前に敗北して逃げ帰ったのに・・・」


「何をボヤボヤしてるーー、早くバリスタの用意だ!」


「は、はい」


バリスタに掛けられた布が、引き剥がされた。

でかい矢をセットした最中だった。



風きり音が鳴って、「ドン」と砦の壁に何かが刺さった。

1人の兵が急いで覗き込んだ。


「矢が刺さったぞ!」


それは一瞬だった。爆発が起きて壁を破壊した。

10人程が巻き込まれて、瓦礫がれきの下敷きになっていた。


頑丈な正門を破壊されるのも早かった。

大きな爆発音が響いた。

木造で分厚い門が、大きな穴を開けていた。


砦内にも爆発が起きた。それも無数に。



破壊された門を、駆け抜ける集団が居た。

首には、飼い慣らされた証拠の首輪をしたブラックウルフだ。


数は300体。

ドアを開けた寝起きの兵の首にかぶり付いた。

呆気なく声もだせずに死んだ。


中には腕を噛まれた状態で、剣で斬りつけた者もいた。

訓練されたように、口を開放してブラックウルフは逃げた。

追撃は出来なかった。後ろから別のブラックウルフに襲われたからだ。



正門から続々とロベル軍が入り込んだ。

誰も邪魔する者は居なかった。


建物内では、必死の抵抗が続いた。

しかし、煙でいぶされて出てきた途端に、矢で串刺しされていた。

それはあっちこっちの建物で繰り返された。


午前11時頃には、全員が始末された。


「お前は、ここに残って補給部隊と合流しろ。ここの食料を運び出す準備もおこたるな」


「了解しました」



「全員、帝国に向けて進行だ!」





アッペン都市は、帝国の情報網の要だった。

帝国は広大な国の為に、川を使った連絡網が発達していた。


数は少ないが、人工の川も作られていた。

その為に幾つのもの川が交わるアッペン都市が、連絡や物流の都市として発展していた。

なので皇帝の直轄地ちょっかつちでもあった。



兵舎の食堂で、何百人が交代しながら食べていた。


「フランク、食べないのか・・・好物のシチューだぞ」


「ちょっと腹の調子が悪いんだ」


「お前もか、食中毒でも流行ってるみたいだな。シチューを残す奴が多過ぎだぞ。俺なんか腹が丈夫なのが自慢だよ」


フランクは、複雑な表情で話しかけていた男を見ていた。




アッペン都市に、突然に爆発が起きた。

その音に住民は驚いた。爆発した所からは、モクモクと黒い煙が出ていた。


その時間帯には、大勢の兵士が腹を抱えてもがき苦しんだ。

多くが仲間だった兵士に、ロープで拘束されていた。


「早く鍵を出せ」


「ダメだ。お前の鍵を渡せるかーー。どうしてこんな事をしたんだ」


「もう我慢の限界だ。やれ!」


兵士は殺されて、鍵が奪われた。



その鍵を使って、立てこもった部屋が開けられた。


「マイヤー将軍、諦めて降伏して下さい」


「裏切ってそんな事まで言うのか、見損なったぞラビヤ!」


「どうしても降伏しないのですね。やれ!」


10人しか居ない部屋へ、矢が放たれた。

マイヤー将軍の前だけ、結界が張られて周りの兵士はすでに倒れた。

そのマイヤー将軍に雷球が放たれて、結界は粉々に破壊された。


いつの間に近づいていたラビヤによって、マイヤー将軍は斬られた。

凄い剣の動きだった。


「裏切り者が・・・」


その言葉を残して息を引き取った。


アッペン都市は、反乱軍によって支配された。

それ以降、帝国の情報網は混乱し続けた。

物流もストップした状態だ。




帝都にアッペン都市の陥落かんらくの知らせが伝わったのは、5日後だった。

ロベル軍の進行を知ったのは、10日後だ。

全てにおいて後手後手になっていた。




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