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妖精王オーベロン




又もや魔の森で事件が発生した。

植物魔法のリアンが、クチャをともなって執務室の前まで来ていた。


クチャは、でかいのだ。それなのにここまで連れて来るとは・・・

廊下の魔道照明や窓も壊れ、壁や床まですり傷でめちゃくちゃだ。


「領主さま、廊下を壊して申し訳ありません。クチャが大事な話を直接話したというので仕方なく連れて来ました」


クチャが執務室まで入ろうとした。


「クチャ、それ以上入ってはダメよ。領主さま!クチャが言うには、魔の森深くに植物系の魔王に匹敵する者が現れたと申してます」


「クチャ!それは本当か!」


『本当、クチャより強い魔力を感じる・・・その正体は妖精王オーベロン。魔物の誕生よりはるかいにしえより生きてる・・・』


「なぜ、そんなに詳しく知っているんだ」


『同じ植物系だから、なんとなく会話ができるの・・・』


クチャは、なにを言ってるのか分かっているのか・・・

こっちの情報も話してるかも知れないぞ。


「それで、妖精王は何が望みだ!」


『濃厚な肥料が欲しいと言ってるの、クチャが吸収して美味しいと自慢したら、欲しくてたまらなくなったみたい』


「それ以外、何も望んでないのか? 土地や人とか・・・」


『そんなものには興味無いと思うけど、聞いてみる』


すぐにでも会話できるんだ。


『やっぱり興味無いって』




早速、ハチたちとハクセン親子をともなって出かけた。


ハクセンには俺とリアンが乗って、ララはアオに乗っている。

コハクには、クチャがぶら下がって楽しそうに飛んでる。


そしておまけみたいに、アリッサもミドリバチに乗って遊んでいる。



秘密裏ひみつりに出発を予定していたのに、どこから嗅ぎつけたアリッサが仁王立ちにして怒って、飛ばさないように阻止そしされた。


「何を勝手に行こうとしてるの、わらしも行くわ」


「いやいやダメだ。危険があるから連れて行けないんだ」


「あなたたちの出番よ!」


何処から降っていたように、子供たちが現れた。

俊敏な動きでハチやドラゴンに抱き付いたのだ。


『こら!抱き付くな。我は孤高ここうなドラゴンぞ。こらめるな!』


「アリッサおねいちゃんを連れて行って、お願いだから」


うるんだ目で俺を見てくる。


俺が引きがそうとしたが、力強く抱く力は半端ない力だ。

これ以上、引張れば怪我をしてしまうぞ。


「わたしは一生放さない」


「分かった。連れて行く事を約束するから帰りなさい」


「約束だよ、領主さま」


「約束は守ってよ」


「バイバイ」


にこやかに子供たちは去った。

なんとすみやかな撤退てったいだ。


「アリッサ!なんて姑息こそくな手を使うんだ」


「なにを言ってるの、子供たちはのけ者にされたわたしを助けてくれただけよ」


俺は諦めて「出発だーー」と叫んだ。


ハチたちは、一斉に天高く飛んだ。


アリッサ「なんなの。急に飛んで」急な出来事に驚いている。


あ、アリッサ自身のステータスが、急に上がった。

半端ない程の上がりようだ。足がハチをしっかりと挟んだ。


ハクセン親子も、遅れて飛んだ。




1日を移動に費やして、ようやく見えてきた。



クチャの案内で巨大な木が、遠くからでも見えだした。

あらためて魔の森が大きい森だと実感した。


そしてなんと神々しい木だ。木からオーラがあふれ出しているぞ。

その木の下から魔力の地脈が見えた。


その魔力で長い間、生きていたのだろう。



そして木の下に舞い下りた。


その巨大な木の根本には、1人の少女に見えるが少年の面影もある者が立っていた。

全身が白く、なんのけがれもない無垢むくのようだ。


『わたしは妖精王オーベロン、よく来てくれた』


あ、ただの石だと思っていたのが魔石だ。

それも地面をおおい尽くしている。


そうか、魔物を栄養として吸収した後に、魔石だけが風化しないまま残ったのか。


『はじめて会うけどクチャよ。よろしくね』


『思い描いた方だ。それで自慢していた肥料って何処に』


「ああ、何処どこに出せばいいんだ」


『あなたが持ってるのね。ここに出して』


言われるまま大量の肥料を出した。


『ああ、良い匂いだ。ああ、なんて素晴らしいものなのだ・・・体をみなぎるこのパワーはなんなのだ・・・ああ感動だ』


あれ程に山積みされた肥料が、キラキラと光って消えてしまった。


『そなたらには、何か褒美を上げるべきだが、何か欲しいものはないか・・・』


「それなら、地面にある魔石を持ち帰ってもいいかな」


『そんな物でいいのなら、好きなだけ持って帰るといい。またいつか肥料が欲しくなった呼ぼう』


その言葉を残して、消えてしまった。

その消えた瞬間を見逃さなかった。

この木が、妖精王オーベロンの正体だった・・・そして木の根元には、地脈が流れていた。

凄い量の魔力だ。



そして1つの木の実が淡く光って、スローモーションのように落ちてきた。

俺は魅入られるように動いて、キャッチした。


淡く光る実は、やわらかく匂いをかいだ瞬間に、目がはなせない。


『その実も褒美ほうびだと言ってるよ』


なぜか食欲がわいて食べていた。

なんて美味しい実だ。あ、体が光りだした。

魔眼を含めて、鑑定、錬金術、死霊術の熟練度が上がった。

半端ない上がりようだ。


アリッサ「なに1人で食べてるの。信じられない」


「急に食べたくなったんだ。俺も驚いてるよ」


ララ「アリッサさん、あの肥料は領主さまの物です。アリッサさんがとやかく言うのは違います」


「あら、あんなに大人しかったあなたが・・・まあいいわ。無い物に執着しても仕方ないし・・・一緒に落ちた葉っぱで我慢するわ」


そう言って、1枚の葉を食べた。

俺の時より薄い光だ。


「ああ、こんな経験は初めてだわ。あなたと居れば幸運が勝手に舞い込んでくるのね」



地面に転がる魔石を、袋へ回収しまくった。

相当でかい魔石もあった。

そして地面が現れた。赤い地面だ。


地面深くに脈々と魔力が流れてるのがはっきりと見えた。




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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公はアリッサの言いなりで奴隷かな?我儘ききまくってて主導権握られてるよねこれ……。
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